Version: 2022.3
言語: 日本語
Unity 2022.2 の新機能
パッケージと機能セット

Unity 2022.1 の新機能

リリースノート

この Unity バージョンに加えられた新しい機能、変更、改良点の詳細については、2022.1 リリースノート を参照してください。

アップグレードガイド

既存のプロジェクトを 2021 LTS からアップグレードする場合は、Unity 2022.1 へのアップグレードガイド を参照してプロジェクトへの影響を確認してください。

新機能

Unity 2022.1 で加えられた 2021 LTS からの変更点を確認し、影響を受ける領域に関するドキュメントを参照してください。

エディターとワークフロー

視覚的な検索クエリ

視覚的な検索クエリは、検索クエリの構築に際する、直感的で一貫性のあるユーザーエクスペリエンスを提供します。これによりユーザーは、アイテム見つけるための Search の強力な機能を発見し、活用することができます。

Dependency Viewer

Dependency Viewer は、プロジェクト内の依存関係を (含まれるアセットの数に関わらず) 簡単に素早く確認する信頼性の高い方法を提供します。

エディター UI 用 UI Toolkit

ツール開発者は、エディター UI のオーサリングにより幅広く UI Toolkit を使用できるようになりました。2022.1 では、より多くの UI ウィジェットが使用できるほか、プログラムでのカスタム形状の描画や、UI Toolkit を使用したプロパティドロワーの記述が可能です。

再生開始時モードの最適化

イテレーション時間を短縮するため、再生開始時モード のパフォーマンスが最適化されました。この改善には、シーン保存の高速化や、静的バッチ処理とパーティクルの事前準備を高速化するためのマルチスレッドの使用の増加、一部のパッケージ (例: Terrain Tools パッケージと Visual Studio パッケージ) の初期化時間のコスト削減が含まれます。

大規模プロジェクトのためのエディターワークフローの最適化

共通のエディターワークフローが、オブジェクトやアセットの数が多い大規模なプロジェクトで最適化されました。これらの改善には以下が含まれます。

  • 階層のスクロールとオブジェクト選択の高速化
  • ゲームオブジェクトの複数選択の最適化
  • 多数のテクスチャをプレビューする際のパフォーマンスの向上
  • 大きいプレハブへの変更時のがたつきの軽減

小さなファイルのインポートの最適化

小さなファイルのインポート時間が最大 60 % 短縮されます。

“元に戻す” システムの改善と最適化

元に戻す UI ボタンによって、この機能の全体的なパフォーマンスが向上しました。大きな配列を含む “元に戻す” 操作が最大 100 倍高速になりました。また、“やり直し” スタックの消去が約 30 倍速く行え、多数選択した “やり直し” を約 2 倍速く削除できます。

Accelerator の破損検出

Accelerator (アクセラレーター) でキャッシュされたアセットは、ストレージ上あるいは送信中に破損する (バイトが変更される) 可能性があります。コンテンツのハッシュによって、破損したコンテンツが検出されます。コンテンツが無効と見なされると、そのコンテンツは破棄され、ローカルにインポートされます。この動作の設定は Project Settings ウィンドウの Content Validation 設定 (Editor/Cache Server/Content Validation) を使用して行えます。デフォルトの設定は Enabled で、使用可能なオプションは以下の通りです。

オプション 説明 
Enabled 使用可能な場合はハッシュを使用しますが、ハッシュが必要ではありません。
Disabled アクセラレーターから提供されたハッシュを全て無視します。
Required アクセラレータから使用可能なハッシュがない場合、ダウンロードに失敗します。
UploadOnly アップロード時のみハッシュ化を行い、ダウンロード時はハッシュ化を無視します。

System Metrics Mali

System Metrics Mali パッケージを使用すると、プロファイリングやランタイムパフォーマンス調整のために、モバイルデバイスの、低レベルのシステムやハードウェアパフォーマンスメトリクスにアクセスできます。このパッケージは、例えば、以下のような用途に使用できます。

  • Unity Profiler で低レベル GPU メトリクスを監視し、パフォーマンスのボトルネックを評価する。
  • ランタイムに Recorder API を使用して同じメトリクスにアクセスし、現在のボトルネックに応じてグラフィックス品質を調整する。
  • 継続的インテグレーションのテストを実行して広範なパフォーマンス測定を収集することで、パフォーマンステストを自動化する。

スプライン

Splines パッケージは曲線やパスを扱うのに役立ちます。このパッケージを使って、オブジェクトや動作をパスに沿って生成したり、軌跡を作成したり、図形を描画したりすることができます。

Spline パッケージには以下が含まれます。

  • Unity エディターでスプラインを作成、操作するツール。
  • このパッケージの標準スプライン編集ツールをカスタマイズするためのフレームワーク。
  • よく使われるスプラインの標準的なデータ形式とストレージモデル。
  • 一般的なスプラインの使用例に対応する実装サンプル (道路の作成、スプラインに沿ったゲームオブジェクトの位置と回転のアニメーション化、環境作成のためのスプラインに沿ったプレハブのインスタンス化など)。

マテリアルバリアント

マテリアルバリアントは、ほとんどのサーフェスプロパティを共有し、その他だけが異なるマテリアルの、管理の改善と再利用を可能にします。

マテリアルバリアントを使用すると、テンプレートやマテリアルのプレハブを作成できます。基本のテンプレートに基づいて、テンプレートマテリアルとプロパティを共有するバリアントを作成し、異なるプロパティのみをオーバーライドすることができます。テンプレートマテリアル内で、オーバーライドされていない共有プロパティを変更すると、その変更が自動的にバリアントマテリアルに反映されます。バリアントでオーバーライドが行われないように、マテリアルの特定のプロパティを固定することも可能です。

より複雑な状況においては、バリアントマテリアルのバリエーションを作成することもできます。マテリアルの継承階層は、再利用性を高め、プロジェクトにおけるマテリアル作成のイテレーション速度と拡張性を向上させます。

Package Manager の改良

Package Manager の改良点には以下が含まれます。

  • Preferences ウィンドウ を使用して パッケージキャッシュAsset Store パッケージキャッシュ の保存場所を設定する機能が新しく搭載されました。
  • Package Manager ウィンドウでの 複数選択 のサポート。これにより、操作を個別に適用する代わりに、同じ操作を一度に複数のパッケージに適用できます。
  • Asset Store から完全なプロジェクトをインポートする 際のフローが強化されました。強化された機能には、完全なプロジェクトを一時的なプロジェクトにインポートするオプションが含まれます。これにより、主要なプロジェクトに影響を与えることなく、安全にパッケージを試すことができます。
  • Unity RegistryMy RegistriesIn ProjectMy Assets リスト内の、フィルター および ソート コントロールが再設計されました。
  • My Assets リストRefresh list メニューに Check for updates オプションが追加されました。このオプションを使用すると、My Assets リストに表示されているパッケージだけでなく、コンピュータ上の全てのパッケージの更新を確認できます。
  • Git パッケージを自動的に最新版に更新する Update ボタンが追加されたため、Add package from git URL でパッケージをプロジェクトに追加し直す必要がありません。
  • Manual resolve アクションが Refresh list ボタンから Package Manager 設定 メニューに移動しました。

2D Collider にドロネーメッシュのサポートを追加

PolygonCollider2DCompositeCollider2DTilemapCollider2D のポリゴンとアウトラインは libtess2 を介して生成されます。多くの場合、これらのポリゴンは、薄すぎたり小さすぎたりするために物理演算エンジンによってフィルタリング (除去) されます。ドロネーテッセレーションは、このような場合に優れた結果を生み出します。これは、薄すぎたり小さすぎたりするポリゴンの生成を止めるだけでなく、同じ領域をカバーするためにより少ない数のポリゴンを生成するためです。

Sprite Atlas V2 (プレビュー終了)

以前公開された Sprite Atlas v2 は、2022.1 をもってプレビュー版ではなくなります。これにより Accelerator のサポートが加わり、2021.2 の時点で、フォルダーがパック可能なオブジェクトとして完全にサポートされます。

2D PSD Importer: インポートとレイヤー管理の改善

2D PSD Importer に、 PSD ファイル拡張子を持つファイルの読み込みのサポートが加わりました。PSD Importer のインスペクター内の新しいタブでレイヤーを選択することで、Photoshop ファイルから読み込むレイヤーを制御できます。また、モザイクモードでスプライト間にパディングを設定できます。これと並んで、PSDImporter インポート設定用に API セットが提供されています。

グラフィックス

Frame Timing Manager の改良

Frame Timing Manager が全てのプラットフォームをサポートし、エディターで動作し、フレームタイミングに関するより多くの情報を提供するようになりました。これらの改善により、あらゆるプラットフォームで、パフォーマンス適応、プロファイリング、およびレポートツールを構築することが可能になりました。

スプライトスワップのワークフローと 2D Animation 開発体験の向上

2D Animation パッケージのスプライトスワップ機能が改善され、Animation ウィンドウでのスプライトスワップのキーフレーム設定作業が効率化されました。

2D アニメーション開発体験の面では、スプライトの変形、スプライトのスワップ、アニメーションプレビューウィンドウの IK ソルバーがサポートされました。また、Skinning Editor に Caracter Pivot ツールが追加されました。新しいアセットアップグレードツールを使用して、古いスプライトライブラリアセットとアニメーションクリップを最新バージョンにアップグレードできます。

2D Pixel Perfect Camera

2D Pixel Perfect Camera が強化され、ボケを軽減する新しいアップスケールフィルターが追加されました。

SpriteShape: カスタムジオメトリ生成と頂点色のサポート

生成後のスプライト形状のジオメトリをカスタマイズするスクリプトの記述が可能です。また、スプライト形状の頂点に頂点色が追加されました。

プラットフォーム

インクリメンタルビルドパイプラインがより多くのプラットフォームに対応

インクリメンタルビルドパイプライン に、iOS、tvOS などのプラットフォームのサポートが追加されました。これにより、後続のビルドでの重複作業が省略され、プレイヤービルドが高速化されます。

macOS 用の高度なビデオエンコーダーパラメーター

Unity Recorder は、macOS で、(Appleの AVFoundation エンコーダー API に基づく) MediaEncoder の高度なパラメーターを使用できます。この結果、macOS と Windows で一貫した API を使用できるので、Unity Recorder が、(YouTube に準拠する動画などの) より高品質な動画をエンコードできるようになります。

アーティスト/シネマティックツール

M&E Enterprise 顧客のための Blackmagic ビデオ

Blackmagic Design のビデオキャプチャカードを活用して、Unity エディターとランタイムビルドでプログレードのビデオとオーディオを入出力できます。これにより、映画やバーチャル制作、ライブイベント、放送に携わるユーザーのための新しいワークフローを実現できます。パッケージには、標準的なビデオ形式、HDR、インターレースなどのサポートが含まれています。

Live Capture のタイムコード同期

Live Capture パッケージのタイムコード同期がサポートされており、Unity エディターに接続された互換性のある Live Capture デバイスを同期させることができます。

例えば、Unity Face Capture と Unity Virtual Camera コンパニオンアプリのデータキャプチャを同期できます。将来的なサードパーティ製モーションキャプチャとパフォーマンスキャプチャプラグインは、この機能を使用して、提供された API を実装する他のプラグインと同期することができます。

Cinemachine バーチャルカメラ用シーンハンドルとオーバーレイ

Inspector のプロパティフィールドの代わりにシーンオーバーレイと専用シーンハンドルを使用すれば、Cinemachine バーチャルカメラのカメラ制約プロパティを変更できます。シーンハンドルとオーバーレイを使えば、有効視野、クリップ面、オフセット、減衰などのプロパティをシーンビューで直接調整できます。

Shader Graph 2D マスタースタックにブレンドモードを追加

Shadergraph Sprite LitSprite UnlitSprite Custom Lit マスタースタックは、いくつかのブレンドモードをサポートしています。

このサポートにより、AlphaPremultiplyAdditiveMultiply ブレンドモードを使用してブレンドできるシェーダーを作成できます。これらの変更は Universal Render Pipeline パッケージに含まれています。

Cinematic Studio のユーザー体験とパフォーマンスの向上

SubD (サブディビジョンモデリング) と Inferred Material Mapping のサポートを含む、シーケンスと Alembic の更新が改善されました。

プログラマーツール

Netcode for GameObjects

Netcode for GameObjects は、Unity ゲームエンジン用に構築されたオープンソースのネットワークライブラリです。ユーザーは、伝播性のない MIT ライセンスのもとにこれを使用できます。最初のリリースでは、小規模な協力型のクライアントホスト型ゲームの作成に焦点を当てています。また、ライブラリを拡張して、専用サーバーのサポートを利用することもできます。

IL2CPP Full Generic Sharing フォールバック

IL2CPP スクリプティングバックエンドは、常に全てのジェネリックメソッドの完全な共有バージョンを生成します。これによって、コンパイル時には存在しないジェネリック型の組み合わせを使用することが可能になります。この改良により、ランタイムにのみ発生する、様々な検出困難なエラーを回避することができます。

IL2CPP ランタイムパフォーマンスの改善

IL2CPP スクリプティングバックエンドは、ランタイムにデリゲート呼び出しのパフォーマンスを向上させるコードを発行します。デリゲート呼び出しに関するより多くの情報が最初にキャッシュされるため、各デリゲートコールがより高速になります。

リフレクションの Visual Scripting インタープリタの依存関係の削除

この改良により、ランタイムでグラフを修正する柔軟性を犠牲にすることなく、Visual Scripting グラフの初期化と実行が高速化されています。

これは、実行時に MonoBehavior ベースのグラフを修正して実行する機能を維持しつつ、ランタイムに Visual Scripting グラフの解釈された表現が含まれるようにすることで実現されています。

Unity 2022.2 の新機能
パッケージと機能セット