USS ビルトイン 変数 は、エディターとランタイム UI のデフォルト値を指定します。これらの変数を各自の USS で使用することで、カスタムのインターフェースを Unity スタイルに一致させることができます。
各ビルトイン変数の名前は、その変数を使用する方法と場所を示します。変数名は、ハイフンで区切られた 1 つまたは複数の部分から構成されます。各パートは、アンダースコアで区切られた 1 つまたは複数の単語で構成されます。
--unity-{group}-{role_and_control}-{sub_element}-{pseudo_state_sequence}
名前の各部分は、その変数を使用する USS 規則の種類を示します。
例えば、変数名は以下のようになります。
--unity-colors-button-text-hover
Unity が変数をどのように使用するかについては、以下の通りです。
| 値 | 意味 | |
|---|---|---|
| グループ | colors |
色データを表します。 |
| Role/Control | button |
ボタンに影響します。 |
| Sub-Element | text |
テキストに影響します。group は colors なので、テキスト色に影響します。 |
| Pseudo-States | hover |
マウスポインターが要素の上に重ねられたときに適用されます。 |
この USS ビルトイン変数は、ユーザーがボタンにカーソルを合わせたときにボタンのテキストの色を変更します。
Group (グループ) は、その変数がどのようなデータを表しているかを指定します。各グループには、いくつかの可能な サブ要素 があります。
変数名には以下のグループがあります。
| Group | 用途 |
|---|---|
colors |
色のプロパティ (background-color、border-color など) |
metrics |
寸法や形状を制御するプロパティ。例えば、border-radius、border-width、margin、padding
|
icons |
標準的な Unity のアイコン画像 |
Role and Control (ロールとコントロール) は、概念的に要素をグループ化する 2 つの方法です。
error ロールには、ユーザーに ERROR メッセージを表示するすべての要素が含まれます。buttons は、エディターのすべてのボタンを含みます。各変数は、ロールかコントロールのどちらかを持っています。
変数名には、以下のような役割やコントロールがあります。
Roles
| Role | 説明 |
|---|---|
default |
文字色、背景、余白などのデフォルトのスタイル設定。 |
alternated_rows |
表形式のデータを交互に行の色を変えて表示する要素。例えば、リストビューのリストアイテムなどです。 |
error |
エラーの状態をユーザーに伝えるための要素。 |
highlight |
UIのハイライト部分。例えば、テキストの選択部分や、ツリービューでの選択項目など。 |
link |
UI のパーツ (通常はテキスト) でクリックできるリンク。これは、クリックされていない状態です。 |
play_mode |
エディターが再生モードのときに表示される要素。 |
visited_link |
UI のパーツ (通常はテキスト) でクリックできるリンク。 |
warning |
ユーザーに警告メッセージを伝えるための要素。 |
コントロール
| Control | 説明 | ||
|---|---|---|---|
app_toolbar |
Unity のメインツールバー | ||
app_toolbar_button |
Unity のメインツールバーのボタン | ||
box |
Editor UI で要素をグループ化するためのボックス | ||
button |
ツールバーを除く UI のボタン | ||
dropdown |
ドロップダウンリストまたはメニュー | helpbox |
ヘルプ情報を表示するボックス |
input_field |
テキストや数値を入力するフィールド | ||
label |
エディター UI のテキストラベル | ||
object_field |
オブジェクトの値に使用されるフィールド。例えば、ゲームオブジェクトやアセットのプロパティ値など。 | ||
popup |
ポップアップメニューやその他のポップアップコントロール | ||
preview |
プレビューの表示に使用されるビュー。例えば、メッシュやテクスチャなどのアセットのプレビューを表示します。 | ||
scrollbar_groove |
ユーザーがスクロールバーのつまみをドラッグするスクロールバーの背景要素 | ||
scrollbar_thumb |
スクロールバーのドラッグ可能なハンドル要素 | ||
slider_groove |
ユーザーがスライダーのつまみをドラッグする際のスライダーの背景要素 | ||
slider_thumb |
スライダーのドラッグ可能なハンドル要素 | ||
slider_thumb_halo |
ユーザーがスライダーのサムをドラッグしたときに、サムの周囲に表示されるオーバーレイ | ||
tab |
タブコントロールのタブアイテム | ||
toolbar |
Unity のメインツールバー (app_toolbar) 以外のエディターツールバー |
||
toolbar_button |
エディターツールバーのボタン | ||
window |
エディターウィンドウ |
Sub-Element (サブ要素) とは、変数が影響を与える要素の一部です。変数の group と合わせて、サブ要素はその変数がどのようなデータを表しているかを示します。
例えば、変数名に colors グループと text サブ要素が付いている場合です。これは、Unity がテキストの色に影響を与えるスタイルでその変数を使用することを意味します。
変数名には、以下のサブ要素があります。
| Group | サブ要素 | 説明 |
|---|---|---|
colors |
||
background |
要素の背景色 | |
border |
要素の境界色 | |
border_accent |
要素の内側の境界線の色。例えば、Inspector ウィンドウには、ツートンカラーの境界線があります | |
text |
テキストを表示する要素の文字色 | |
metrics |
||
margin_{left, top, right, bottom} |
要素のマージン値 | |
padding_{left, top, right, bottom} |
要素のパディング値 | |
border_{left, top, right, bottom}_width |
要素の境界線の幅値 | |
border_{left_top, left_bottom, right_top, right_bottom}_radius |
要素の境界線の半径値 | |
width, height |
要素の幅と高さの値 | |
Pseudo-State (疑似状態) シーケンスは、Unity が変数を使用する UI 状態のリストです。
例えば、変数名に hover という疑似状態が付いている場合です。これは、ユーザーが要素にポインターを重ねるときに要素に影響を与えるスタイルの変数を Unity が使用するという意味です。
例えば、--unity-colors-toolbar_button-text-hover というようになります。
1 つの変数名に複数の疑似状態を持たせることができます。複数の疑似状態は、アンダースコア _ で区切られたアルファベット順に表示されます。
例えば、--unity-colors-toolbar_button-text-focus_selected というようになります。
Unity の変数名には、以下の疑似状態のすべての組み合わせが可能です。
| Pseudo-state | 説明 |
|---|---|
| (なし) | 通常の状態 |
checked |
チェックボックスタイプのコントロールがオンです |
disabled |
コントロールがオフです |
focus |
コントロールにフォーカスがあります |
hover |
ユーザーがコントロールにカーソルを重ねています |
inactive |
コントロールにフォーカスがありません |
pressed |
コントロールが押されました |
selected |
コントロールが選択されました |