Unity が Android アプリケーションをビルドする方法

Unity は Gradle を使用して Android アプリケーションをビルドするため、ビルドプロセスや Gradle との相互作用の方法を理解しておくと役に立ちます。Gradle では、Player 設定 などの Unity のウィンドウを使って最終的なビルドのほとんどの側面を設定できますが、より自在に制御するには、マニフェスト および テンプレート ファイルを上書きするか、プロジェクトをエクスポートして Android Studio で編集する必要があります。

ビルドプロセス

Android アプリケーションは、以下のようにビルドされます。

1. AndroidProjectFilesModifier.Setup をすべての AndroidProjectFilesModifier インタフェースに対して呼び出します。このコールバックを使用して、カスタムの Android Gradle プロジェクトファイルを変更するための前提条件を設定できます。詳細については、AndroidProjectFilesModifier.Setup を参照してください。
2. Unity プロジェクトから、プロジェクトリソース、コードライブラリ、プラグイン、Gradle テンプレート、マニフェストテンプレートを収集し、これらを使用して有効な Gradle プロジェクトを作成します。
3. Unity プロジェクトのプレイヤー設定とビルド設定に基づいて、Gradle テンプレート内およびマニフェストファイル内の値を追加、更新します。
4. プロジェクトをビルドせずエクスポートすることを選択し、IL2CPP スクリプティングバックエンド を使用する場合は、C# スクリプトから生成された C++ ソースファイルを Gradle プロジェクト内に配置します。プロジェクトをビルドすることを選択した場合、libil2cpp.so ライブラリを Gradle プロジェクト内に配置します。
5. OnModifyAndroidProjectFiles をすべての AndroidProjectFilesModifier インターフェースに対して呼び出します。このコールバックを使用して、Gradle プロジェクトファイルの値を変更できます。詳細は、Android Project Configuration Manager を使用した Gradle プロジェクトファイルの変更 を参照してください。
   ノート: Android Gradle プロジェクトファイルは、カスタムモジュールでのみ変更できます。
6. OnPostGenerateGradleAndroidProject をすべての IPostGenerateGradleAndroidProject インターフェースに対して呼び出します。このコールバックを使用して、Gradle がアプリケーションをビルドする前に、ファイルを変更または移動することができます。
7. Unity が Gradle を実行し、Gradle プロジェクトからアプリケーションをビルドします。Gradle は、Unity ライブラリマニフェスト、Unity ランチャーマニフェスト 、プラグインマニフェストを、1 つの Android アプリマニフェスト ファイルにマージします。

インクリメンタルビルドパイプライン

Unity は、Android 用のプレイヤーをビルドする際に インクリメンタルビルドパイプライン を使用します。Android 固有のインクリメンタルビルドパイプラインの動作に関しては、以下を参照してください。

• Unity は、以下の増分をビルド/生成します。
  • Gradle ファイル
  • マニフェストファイル
  • アセットパック
  • APK 拡張ファイル (obb)
  • 非圧縮の分割アセット
  • Android シンボルの ZIP ファイル
• Unity は以下の増分をコピーします。
  • プレイヤーバイナリ
  • Gradle のリソース
• ビルドプロセス の最後のステップは、Gradle の実行です。これ以降のビルドプロセスにはインクリメンタルビルドパイプラインは使用されず、依存関係のトラッキングは Gradle によって行われます。

IPostGenerateGradleAndroidProject を実装し、インクリメンタルビルドパイプラインが使用する Android ファイルまたはアセットを変更または移動すると、プロジェクトのビルド時に問題が発生する可能性があります。Gradle プロジェクトファイルのみを変更 する場合は、IPostGenerateGradleAndroidProject ではなく Android Project Configuration Manager を使用することをお勧めします。IPostGenerateGradleAndroidProject を使用する必要があるケースで、インクリメンタルビルドパイプラインの問題を回避するには、 非インクリメンタルビルドの作成 を参照してください。
ノート: Android Project Configuration Manager を使用して Android Gradle プロジェクトファイルを変更できるのは、カスタムモジュールのみです。