ScrollView は、スクロール可能な領域内にコンテンツを表示します。コンテンツを ScrollView に追加すると、コンテンツは ScrollView のコンテンツコンテナ (#unity-content-container) に追加されます。
ScrollView は、UI Builder、UXML、または C# で作成できます。以下の C# の例では、タイトルラベルといくつかの Toggle 要素を含む、水平と垂直の両方のスクロール機能を備えた ScrollView を作成します。
var scrollView = new ScrollView(ScrollViewMode.VerticalAndHorizontal);
scrollView.style.width = 250;
scrollView.style.height = 400;
scrollView.Add(new Label("List of checkboxes:"));
for (int i = 0; i < 100; ++i)
{
var toggle = new UnityEngine.UIElements.Toggle()
{ text = "Lorem ipsum dolor sit amet, consectetur adipiscing elit, sed do eiusmod tempor incididunt ut labore et dolore magna aliqua." };
scrollView.Add(toggle);
}
スクロールの移動の向き、水平スクロールバーと垂直スクロールバーのどちらを表示するかを指定し、スクロールのスピードをコントロールできます。
UI Builder でスクロールバーの動きの向きを設定するには、ScrollView の Inspector ウィンドウで、Mode に以下のオプションのいずれかを選択します。
UI Builder でスクロールバーの可視性を設定するには、ScrollView の Inspector ウィンドウで、Horizontal Scroller Visibility または Vertical Scroller Visibilityで以下のオプションのいずれかを選択します。
スクロールスピードをコントロールするには、UI Builder、UXML、または C# コードで以下のプロパティの値を調整します。値が高いほどスクロールスピードが速くなります。
horizontal-page-size は、 キーボードまたは画面上のスクロールバーボタン (矢印とハンドル) を使用するときの水平スクロールのスピードを制御します。スピードは、ページサイズに指定した値を乗算して計算されます。例えば、2 の値は、各スクロール移動がページ幅の 2 倍の距離をカバーすることを表します。vertical-page-size は、キーボードまたは画面上のスクロールバーボタン (矢印とハンドル) を使用するときの垂直スクロールのスピードを制御します。スピードは、ページサイズに指定した値を乗算して計算されます。例えば、2 の値は、各スクロール移動がページの長さの 2 倍の距離をカバーすることを表します。mouse-wheel-scroll-size は、マウスホイール使用時のスクロールスピードを制御します。スピードは、指定された値を 18px のデフォルトの行の高さに対応する 18 で除算して計算されます。例えば、値を 36 に設定すると、各スクロール移動は 2 行のコンテンツに相当する距離になります。
ノート: USS ビルトイン変数 –unity-metrics-single_line-height をオーバーライドして、マウスホイール使用時のスクロールのスピードをコントロールできます。mouse-wheel-scroll-size 属性は、–unity-metrics-single_line-height USS 変数よりも優先されます。
ScrollView 内でビジュアル要素をラップして、要素が行に表示されるようにすることができます。行にあくスペースがない場合、要素は次の行に引き続き表示されます。
ScrollView 内でビジュアル要素をラップするには、ScrollView のコンテンツのコンテナ flex-direction を row に、flex-wrap を wrap に設定します。
USS で:
.unity-scroll-view__content-container {
flex-direction: row;
flex-wrap: wrap;
}
C# で:
scrollview.contentContainer.style.flexDirection = FlexDirection.Row;
scrollview.contentContainer.style.flexWrap = Wrap.Wrap;
ScrollView 内でラベル要素のテキストなど、要素のテキストをラップするには、以下のことを行います。
white-space: normal; を適用します。
C# クラス: ScrollView
名前空間: UnityEngine.UIElements
基本クラス: VisualElement
この要素は以下のメンバー属性を持ちます。
| 名前 | 型 | 説明 |
|---|---|---|
elastic-animation-interval-ms |
long |
弾性バネアニメーションを実行する間隔の最小時間 (ミリ秒)。 |
elasticity |
float |
ユーザーがスクロールビューの境界を超えてスクロールしようとするときに使用される弾性の量。 弾性は、 touchScrollBehavior が Elastic に設定されている場合にのみ使用されます。 |
horizontal-page-size |
float |
このプロパティは、キーボードまたは画面上のスクロールバーボタン (矢印とハンドル) を使用するときの水平スクロールのスピードを、ページのサイズに基づいて制御します。 スクロールする場合、ページサイズは各スクロールステップのオフセットに適用されるため、最終的なオフセットはページサイズにステップ数を乗算した値になります。SA: BaseSlider_1::ref::pageSize。 |
horizontal-scroller-visibility |
UIElements.ScrollerVisibility |
水平スクロールバーを表示するかどうかを指定します。 |
mode |
UIElements.ScrollViewMode |
ScrollView でユーザーがコンテンツをスクロールする方法を制御します。ScrollViewMode デフォルトは ScrollViewMode.Vertical です。このプロパティに書き込むと、指定された ScrollViewMode の値に従って ScrollView のクラスリストが変更されます。値が変更されると、古い値に一致するクラスリストが削除され、新しい値に一致するクラスリストが追加されます。 |
mouse-wheel-scroll-size |
float |
このプロパティは、ページのサイズに基づいて、マウスのスクロールホイールを使用する場合にのみスクロールスピードを制御します。–unity-metrics-single_line-height USS 変数よりも優先されます。 |
nested-interaction-kind |
UIElements.ScrollView+NestedInteractionKind |
スクロールがネストされた ScrollView の上限に達したときの動作。 |
scroll-deceleration-rate |
float |
ユーザーがタッチインタラクションを使用してスクロールした後にスクロールの動きが遅くなる割合を制御します。 減速率は、1 秒あたりのスピードの減少率です。 |
| 0.5 で毎秒のスピードが半分になります。値が 0 の場合、スクロールは直ちに停止します。 | ||
vertical-page-size |
float |
このプロパティは、キーボードまたは画面上のスクロールバーボタン (矢印とハンドル) を使用するときの垂直スクロールのスピードを、ページのサイズに基づいて制御します。 スピードは、ページサイズに指定した値を乗算して計算されます。例えば、 2 の値は、各スクロール移動がページ幅の 2 倍の距離をカバーすることを表します。 |
vertical-scroller-visibility |
UIElements.ScrollerVisibility |
垂直スクロールバーを表示するかどうかを指定します。 |
この要素は基本クラスから以下の属性を継承します。
| 名前 | 型 | 説明 |
|---|---|---|
focusable |
boolean |
要素がフォーカス可能である場合は true。 |
tabindex |
int |
フォーカスリング内のフォーカス可能な要素をソートするために使用される整数。0 以上の値に設定する必要があります。 |
この要素は VisualElement から以下の属性も継承します。
| 名前 | 型 | 説明 |
|---|---|---|
content-container |
string |
子要素が追加されますが、通常は子要素は要素自体と同じです。 |
data-source |
Object |
継承されたデータソースをオーバーライドするこの VisualElement にデータソースを割り当てます。このデータソースはすべての子に継承されます。 |
data-source-path |
string |
データソースから値へのパス。 |
data-source-type |
System.Type |
この VisualElement に割り当て可能なデータソースのタイプ。 この情報は、設計時に有効なデータソースを指定できない場合に、データソースパスフィールドを補完するヒントとして UI Builder でのみ使用されます。 |
language-direction |
UIElements.LanguageDirection |
要素のテキストの向きを示します。値は要素の子に伝播されます。 languageDirection を RTL に設定すると、テキストの反転と改行/折り返しの適切な処理による、右から左へ (RTL) の基本サポートが追加されます。ただし、包括的な RTL サポートは提供されません。これには、文字の並べ替えを含むテキストシェーピングと OpenType フォント機能のサポートが必要になるためです。将来のアップデートでは、言語、スクリプト、フォント機能の仕様を処理するための追加の API を含む、包括的な RTL サポートが予定されています。 このプロパティの RTL 機能を拡張するには、Unity Asset Store で入手可能なサードパーティ製のプラグインを探し、 ITextElementExperimentalFeatures.renderedText を利用してください。 |
name |
string |
この VisualElement の名前。 このプロパティを使用して、特定の要素を対象とする USS セレクターを記述します。要素には一意の名前を付けるのが標準的です。 |
picking-mode |
UIElements.PickingMode |
mouseEvent または IPanel.Pick クエリの間にこの要素を選択 (ピック) できるかどうかを決定します。 |
style |
string |
VisualElement スタイルの値を設定します。 |
tooltip |
string |
ユーザーが要素をマウスオーバーした後、わずかな時間、情報ボックス内に表示するテキスト。これはエディター UI でのみサポートされます。 |
usage-hints |
UIElements.UsageHints |
VisualElement の意図されているハイレベルな使用パターンの概要を指定するヒント値の組み合わせ。このプロパティは、VisualElement がまだ Panel の一部でない場合にのみ設定できます。Panel の一部になると、このプロパティは事実上読み取り専用となり、変更しようとすると例外がスローされます。適切な UsageHints を指定することで、予想される使用パターンに基づいて、特定の操作をどのように処理するか、または高速化するかについて、システムがより適切な判断を下すようになります。これらのヒントは動作や視覚的な結果には影響しませんが、パネルとその中の要素の全体的なパフォーマンスにのみ影響することに注意してください。常に適切な UsageHints を指定することを考慮するようお勧めしますが、特定の条件下 (例: ターゲットプラットフォームのハードウェア制限) では、一部の UsageHints が内部的に無視される可能性があることに留意してください。 |
view-data-key |
string |
ビューデータの永続性 (ツリーの展開状態、スクロール位置、ズームレベルなど) に使用されます。 このキーは、ビューデータストアからビューデータを保存およびロードするために使用されます。このキーを設定しないと、関連する VisualElement の永続性が無効になります。詳細については、ビューデータの永続性を参照してください。 |
以下の表は、すべての C# パブリックプロパティ名と、それに関連する USS セレクターのリストです。
| C# プロパティ | USS セレクター | 説明 |
|---|---|---|
ussClassName |
.unity-scroll-view |
この型の要素の USS クラス名。 |
viewportUssClassName |
.unity-scroll-view__content-viewport |
この型の要素の Viewport 要素の USS クラス名。 |
horizontalVariantViewportUssClassName |
.unity-scroll-view__content-viewport--horizontal |
Viewport が水平モードのときに追加される USS クラス名。ScrollViewMode.Horizontal
|
verticalVariantViewportUssClassName |
.unity-scroll-view__content-viewport--vertical |
Viewport が垂直モードのときに追加される USS クラス名。ScrollViewMode.Vertical
|
verticalHorizontalVariantViewportUssClassName |
.unity-scroll-view__content-viewport--vertical-horizontal |
Viewport が水平モードと垂直モードの両方の場合に追加される USS クラス名。ScrollViewMode.VerticalAndHorizontal
|
contentAndVerticalScrollUssClassName |
.unity-scroll-view__content-and-vertical-scroll-container |
この型の要素のコンテンツ要素の USS クラス名。 |
contentUssClassName |
.unity-scroll-view__content-container |
この型の要素のコンテンツ要素の USS クラス名。 |
horizontalVariantContentUssClassName |
.unity-scroll-view__content-container--horizontal |
ContentContainer が水平モードのときに追加される USS クラス名。ScrollViewMode.Horizontal
|
verticalVariantContentUssClassName |
.unity-scroll-view__content-container--vertical |
ContentContainer が垂直モードのときに追加される USS クラス名。ScrollViewMode.Vertical
|
verticalHorizontalVariantContentUssClassName |
.unity-scroll-view__content-container--vertical-horizontal |
ContentContainer が水平モードと垂直モードの両方の場合に追加される USS クラス名。ScrollViewMode.VerticalAndHorizontal
|
hScrollerUssClassName |
.unity-scroll-view__horizontal-scroller |
この型の要素の水平スクローラーの USS クラス名。 |
vScrollerUssClassName |
.unity-scroll-view__vertical-scroller |
この型の要素の垂直スクローラーの USS クラス名。 |
horizontalVariantUssClassName |
.unity-scroll-view--horizontal |
ScrollView が水平モードのときに追加される USS クラス名。ScrollViewMode.Horizontal
|
verticalVariantUssClassName |
.unity-scroll-view--vertical |
ScrollView が垂直モードのときに追加される USS クラス名。ScrollViewMode.Vertical
|
verticalHorizontalVariantUssClassName |
.unity-scroll-view--vertical-horizontal |
ScrollView が水平モードと垂直モードの両方の場合に追加される USS クラス名。ScrollViewMode.VerticalAndHorizontal
|
scrollVariantUssClassName |
.unity-scroll-view--scroll |
|
disabledUssClassName |
.unity-disabled |
ローカルで無効に設定されている要素の USS クラス名。 |
Inspector または UI Toolkit Debugger の Matching Selectors セクション を使用して、階層のすべてのレベルで VisualElement のコンポーネントに影響する USS セレクターを確認することもできます。