Unity ではモデリング ソフトウェアにより作成できるあらゆる形状の 3D モデルを取り扱うことが出来ます。しかし,Unity で直接作成することのできるプリミティブ オブジェクトのタイプがあり,それらは Cube, Sphere, Capsule, Cylinder, Plane および Quad です。これらのオブジェクトはそのままでも便利ですが(Plane は例えば平らな地面として良く使用されます),さらにテスト目的でプレースホルダーやプロトタイプとしても活用できます。全てのプリミティブは メニューを使用してそれぞれのアイテムを選択することでシーン上に追加することができます。
キューブは 1 辺が 1 単位の長さである単純な立方体であり,六つの面で画像が繰り返されてテクスチャ化されます。現時点では,キューブはあまり多くのゲームで使用されませんが,スケールすれば壁,柱,箱,階段などといった場合に非常に便利です。さらにプログラマにとって手軽なプレースホルダー オブジェクトとなり,開発段階でまだ完成モデルがない場合に活用できます。例えば車のボディの代わりに,引き伸ばして寸法だけ合わせた箱にすることが出来ます。完成されたゲームには向きませんが,これにより車の制御コードのテストに際して,代わりとなる単純なオブジェクトとしては十分です。キューブの 1 辺が 1 単位の長さであるため,シーンにインポートされたメッシュの寸法を確かめるには大きさを比較することが出来ます。
これは直径が 1 単位の長さの球(すなわち半径は 0.5 単位)であり,全体を包んだテクスチャが上端と下端を結んだようになっています。球は明らかに球状のもの,惑星,弾をを表すのに便利です。さらに半透明な球は半球の形状のエフェクトに GUI を表示するにも便利です。
カプセルは半球の形のキャップで上下を閉じた円柱です。このオブジェクトは直径が 1 単位の長さで高さが 2 単位の長さです(ボディが 1 単位の長さで,2 つのキャップがそれぞれ 0.5 の長さです)。テクスチャは全体をちょうど一周するようにして,上端と下端を結んだようになっています。実際にこのような形状をした世の中の物体はほとんどありませんが,カプセルはプロトタイプにおいて便利です。具体的にはカプセルのように丸まったオブジェクトの物理挙動は,特定の目的においては箱よりも便利な場合があります。
これは単純な円柱であり, 2 単位の長さである高さと,直径が 1 単位の長さです。テクスチャはチューブの形のボディを包むようにしますが,二つの平らな上下の円形の面でも描画されます。円柱は柱,棒,タイヤに便利ですが,コライダの形状が実際にはカプセルであることに留意すべきです(Unity において 円柱上のプリミティブ コライダはありません)。もし正確な円柱上のコライダが物理挙動を再現する目的で必要な場合は,モデリング ソフトウェアにより適切なメッシュを作成してメッシュ コライダをアタッチすべきです。
これは平らな正方形であり,ローカル座標空間においてXZ平面で 10 単位の長さです。テクスチャは正方形の中に一回だけ表示されます。平面は多くの場合において平らな表面で使用するのに便利であり,床や壁などに使用できます。表面を使用するのは,画像や動画の再生を GUI で行ったり,特殊なエフェクトを描画する場合などです。平面をこのような目的で 使用することは確かに出来ます が,もっとシンプルな Quad のプリミティブがより便利な場合もあります。
クワッド プリミティブは平面と似ていますが,1 辺は 1 単位の長さであり,表面はローカル座標空間の XY 平面に向いています。さらに,クワッドはただ二つの三角形に分けられますが,平面はローカル座標空間に 200 の三角形を用いています。クワッドはシーンのオブジェクトを画像や動画の再生を行うディスプレイ画面として使用する場合に便利です。単純な GUI および 情報表示をクワッドで実装することが可能であり,同様にパーティクル,スプライト,さらに遠くからみたオブジェクトをチートする場合に活用できます。