このシェーダの考慮点はベースのテクスチャのアルファチャネルが透過の領域および鏡面マップを両方定義することです。
このシェーダは,メインのテクスチャのアルファチャネルを読み取って,メッシュ形状の一部あるいは全てを透過に出来ます。アルファにおいてゼロ(黒)は完全に透過であり,255(白)は完全に不透明です。メインテクスチャにアルファチャネルがない場合,オブジェクトは完全に不透明に表示されます。
ゲームで透過オブジェクトの使用は工夫が必要で,昔からグラフィックス プログラミングでよくある落とし穴として,ゲームの実行中に並び順で問題が発生するかもしれません。例えば,重なった2つの窓からみた視界がおかしな結果になるケースは,透過の使用の場合に昔から発生する問題です。一般論として,一定の条件下で,透過のあるオブジェクトは別のオブジェクトの前に不自然に描かれるかもしれないことを把握する必要があります。特にオブジェクトが交差していたり,何かを囲っていたり,サイズが大幅に異なるものがある場合,などで発生します。この理由から,透過オブジェクトは必要な時だけ使用し,過剰に使用しないことです。デザイナーとも透過の問題が発生しうることを認識をあわせ,いざという場合にはデザイン変更する準備を整えて,この課題を回避すべきです。
Diffuse(拡散)シェーダと同様のシンプル(Lambertian)ライティングを使用します。表面と光がなす角度が小さくなるほどライティングが弱くなります。ライティングは角度のみに依存し,カメラの移動や回転による変更の影響は受けません。
Normal mapping(法線マップ)は細かい表面のディテールを,ポリゴンの量を増やして詳細を削り出すのではなく,テクスチャにより表現します。オブジェクトの形状は変更しないが,Normal Map(法線マップ)と呼ばれる特殊なテクスチャを使用してこのエフェクトを得ます。法線マップでは,各ピクセルのカラー値は表面法線の角度を表します。次にこの値を形状の代りに使用してライティングを行います。オブジェクトのライティングを計算するにあたり,効果的に法線マップによってメッシュの形状の影響をオーバーライドします。
通常のグレースケールの画像をインポートし,Unityの中で法線マップへと変換できます。これを行う方法についてはNormal map FAQ を参照下さい。
法線マップは接線空間(Tangent Space)を用いた法線マップです。接線空間とはモデル形状の“表面に沿った”空間です。この空間において,Z軸は必ず表面から離れる方向を指します。接線空間による法線マップは他の“オブジェクト空間”を用いた法線マップと比較すると効果ですが,いくつかの長所があります:
Specular(鏡面)はDiffuse(拡散)と同様のシンプル(Lambertian)ライティングを使用するのに加えてビューア依存の鏡面ハイライトを計算します。Blinn-Phongライティングモデルと呼ばれます。鏡面のハイライトは,表面の角度,ライトの角度,およびビューアングル,に依存します。ハイライトは実際にはリアルタイム表現向きの,光源からブラーのかかった反射のシミュレーションです。ハイライトのブラーの度合いはInspectorのShininessスライダで制御されます。
これに加えて,メインのテクスチャのアルファチャネルは鏡面マップ(時々“Gloss Map”とも呼ばれます)として動作し,オブジェクトのどの領域が他の部分より反射するか定義します。アルファの黒い部分は鏡面反射がゼロとなり,白い領域は完全な鏡面反射となります。これはオブジェクトの異なるエリアで鏡面の反射レベルを変更したい場合に便利です。例えば,錆びた金属などは低い鏡面性を使用し,磨かれた金属は高い鏡面性を使用します。口紅は肌よりも鏡面性を高く,肌は綿の服よりも鏡面性を高くします。良く出来た鏡面マップはプレイヤーを関心させるのに大きな違いを生みます。
一般的に,このシェーダはレンダリングがやや高価です。詳細についてはShader Peformance を参照下さい。