グラフィックス観点からはUnityの距離の単位は任意であり,現実世界の長さと対応しません。デザインに柔軟性と簡便さをもたらすものの,オブジェクトを期待どおりのサイズを持たせることが簡単ではないことがあります。例えば,オモチャの車は実物を忠実にスケールしたものでありながら,実物大の車と異なって見えます。
オブジェクトのサイズを見せるときの大きなポイントは,オブジェクトの長さにわたってパースの変化のさせ方です。例えば,オモチャの車を後方から眺めたときは,車の前方部分は後方からそれほど離れてないはずです。距離が離れてないので,パースのエフェクトは相対的に小さいはずで,前方部分は後方部分とそれほどサイズは違っていないはずです。しかし,実物大の車では,前方部分は後方部分と比べてカメラから数メートル離れているのでパースのエフェクトはより顕著であるはずです。
オブジェクトを小さく見せるには,パースのラインはデプスからの分岐はわずかとすべきです。これを実現するにはField of Viewをデフォルトの60度より狭くして,オンスクリーンが増えた分だけカメラをより遠くにします。対照的に,オブジェクトを大きくしたい場合はField of Viewを広角にして,カメラを近くします。このパースの変更を他の明らかなテクニックと組み合わせる(例えば見晴らしの良い地点から “小さな” オブジェクトを見下ろす)ことで,得られる結果は説得力のあるものとなります。