メッシュは、立体のオブジェクトのように見せるために、3D空間に並べられた三角形から構成されています。三角形は3つの頂点により定義されます。Meshクラスでは、すべての頂点はひとつの配列に格納されていて、それぞれの三角形は頂点配列のインデックスにあたる3つの整数により指定されます。三角形はさらに一つの整数の配列として管理されます。この整数は配列の最初から3つごとにグルーピングされるため、要素 0、1、2は一つ目の三角形を定義し、二つ目の三角形は3、4、5と続いていきます。任意の頂点は自由に三角形を定義するのに再利用できますが、後述する以下の点に注意が必要です。
すべてのオブジェクトの基本形状は三角形で定義できますが、大部分のケースではメッシュを表示するのには追加の情報が必要です。オブジェクトがライティングにより正しくシェーディングされるためには、法線ベクトルは各頂点ごとに定義する必要があります。法線は外向きに向かうベクトルであり、メッシュ表面に対して垂直に各頂点の位置から出ています。シェーディング計算において、各頂点の法線は入射するライトのベクトルの方向と比較されます。もし二つのベクトルが完全に平行である場合、平面はその点において真正面からライトを受け取り、ライトの明るさのすべてはシェーディングに適用されます。法線ベクトルに対して真横から入射する光の場合、平面はその点においてまったく照らされることがありません。一般的にライトは法線に対してある程度の角度をもって入射する(入射角)ことによって完全な明るさと完全な暗さとの間の値となります。
メッシュは三角形から構成されているため、角の法線は三角形の平面に対して垂直であるように感じるかもしれません。しかし、法線は実際には三角形に渡って補間されて、角の間の平面の中間位置に方向が割り当てられます。もし 3 つの法線がすべて同じ方向を指す場合、三角形は均等に全面がライティングされます。別の三角形を均等にシェーディングされる効果は、そのエッジがはっきり際立つことになります。これはキューブや、エッジの尖った固体のようなモデルにとっては必要なことですが、カーブのある表面を近似するようなスムーズなシェーディングを作成する場合には法線の補間が必要です。
角ばったエッジを得るには、隣接する 2つの三角形の両方にそれぞれ別の法線が必要なので、各エッジで頂点を 2つにする必要があります。曲面の場合、頂点は通常、エッジに沿って共有されますが、共有する法線の最適な方向を決定するためには、しばしば直感に頼る必要があります。法線が単に、周囲の三角形の面の法線の平均である場合もあります。ただし、球のようなオブジェクトの場合、法線は球の中心からまっすぐ外に向かうべきです。
Mesh.RecalculateNormalsメソッドで、自動的に法線の方向を算出できるようになります。ここでは、三角形により共有される頂点がスムーズな表面を表し、二重の頂点ははっきりしたエッジを示すと仮定します。これは多くのケースで悪い推定ではありませんが、表面がスムーズであるにも関わらず二重化する必要があるいくつかのテクスチャの状況では RecalculateNormals は失敗します。
ライティングに加えて、モデルは一般的にテクスチャを活用して、平面上にディテールを作成することができます。テクスチャは伸縮可能なゴムのシートにプリントしたイメージです。各三角形メッシュで、テクスチャイメージの三角形領域が定義されて、そのテクスチャ三角形は伸縮されてメッシュ三角形に合うように “ピン付け” されます。これを機能させるためには、各頂点はピン付けするイメージ位置の座標を格納する必要があります。これらの座標は二次元であり、0 - 1 の範囲でスケールされます( 0 はイメージの左/下を表し 1 は右/上を示します)。この座標を 3D 空間上のX,Y座標と混同しないために、座標をU,Vで指定し、UV 座標と呼びます。
法線と同じように、テクスチャ座標は頂点毎に一つですが、異なる UV 値を使うために、単純に頂点を二重化したいことがあります。わかりやすい例としては、二つの隣接する三角形が連続しないテクスチャイメージを使用する場合などです(例えば顔のテクスチャにある目など)。また、完全に閉じたオブジェクトには、テクスチャ領域が一周して互いに繋がる部分である “シーム” が必要ですが、シームの片側の UV 値は、反対側とは異なる値になります。