Version: Unity 6.0 (6000.0)
言語 : 日本語
ウェブテンプレートの構造体とインスタンス化
ウェブテンプレートビルド設定とインタラクション

ウェブテンプレート変数

ビルドプロセスの間、Unity はテンプレートファイルを前処理し、それらのファイルに含まれるすべてのマクロと条件付きディレクティブを評価します。このプロセスの一環として、Unity はすべてのマクロ宣言を検索し、Unity エディターが提供する値に置き換えます。Unity は、テンプレートフォルダー内のすべての .html、.php、.css、.js、.json ファイルを自動的に前処理します。

内部プリプロセッサー変数

以下の内部プリプロセッサー変数は、プロジェクト内のデータを参照しており、Unity はエディターが提供する値に従って、ビルド時に値を割り当てます。JavaScript のマクロや条件付きディレクティブは、これらの内部プリプロセッサー変数を使用できます。

変数 タイプ 説明
COMPANY_NAME 文字列 Player 設定で定義された Company Name。
PRODUCT_NAME 文字列 Player 設定で定義された Product Name。
PRODUCT_VERSION 文字列 Player 設定で定義された Version。
WIDTH 整数 Player Settings > Resolution and Presentation で定義された Default Canvas Width。
HEIGHT 整数 Player Settings > Resolution and Presentation で定義された Default Canvas Height。
SPLASH_SCREEN_STYLE 文字列 Splash Style Player Settings > Splash Image が Light on Dark に設定されている場合は “Dark” に、それ以外の場合は “Light” に設定されます。
BACKGROUND_COLOR 文字列 16 進数で定義された Background Color を表します。
UNITY_VERSION 文字列 Unityの 版です。
DEVELOPMENT_PLAYER ブーリアン Development Build オプションが有効な場合、true に設定されます。
DECOMPRESSION_FALLBACK 文字列 これは、使用する圧縮方法と、ビルドに含まれる解凍ツールの種類に応じて、「Gzip」または「Brotli」に設定されます。どちらも含まれていない場合、変数は空の文字列に設定されます。
INITIAL_MEMORY 整数 WASM メモリヒープの初期サイズ (MB 単位)。
USE_WASM ブーリアン 現在のビルドが WebAssembly ビルドの場合、true に設定されます。
USE_THREADS ブーリアン 現在のビルドがスレッドを使用している場合、true に設定されます。
USE_WEBGL_1_0 ブーリアン 現在のビルドが WebGL1.0 グラフィックス API をサポートする場合、true に設定されます。
USE_WEBGL_2_0 ブーリアン 現在のビルドが WebGL2.0 グラフィックス API をサポートする場合、true に設定されます。
USE_DATA_CACHING ブーリアン 現在のビルドでダウンロードしたファイルに indexedDB キャッシングを使用する場合は、true に設定されます。
LOADER_FILENAME 文字列 ビルドローダースクリプトのファイが名が設定されます。
DATA_FILENAME 文字列 メインデータファイルのファイル名が設定されます。
FRAMEWORK_FILENAME 文字列 ビルドフレームワークのスクリプトのファイル名が設定されます。
CODE_FILENAME 文字列 現在のビルドが WebAssembly ビルドの場合は、WebAssembly モジュールのファイル名に設定され、そうでない場合は、asm.js モジュールのファイル名に設定されます。
MEMORY_FILENAME 文字列 メモリが外部ファイルに保存されている場合は、メモリファイルのファイル名が設定され、そうでない場合は空の文字列が設定されます。
SYMBOLS_FILENAME 文字列 現在のビルドがデバッグシンボルを使用している場合は、デバッグシンボルを含む JSON ファイルのファイル名に設定され、そうでない場合は空の文字列に設定されます。
BACKGROUND_FILENAME 文字列 Player Settings > Splash Image で背景画像が選択されている場合は、背景画像のファイル名が設定され、そうでない場合は空の文字列が設定されます。

JavaScript のマクロ

JavaScript マクロは、テンプレートファイルの中にある JavaScript コードのブロックで、3 つの中括弧で囲まれています。この JavaScript コードは、前述の内部プリプロセッサー変数を使用することができます。これらの変数は、エディターが指定した値に従って、ビルド時に割り当てられます。ビルド中、プリプロセッサーはすべてのマクロを評価し、変数の出力に置き換えます。

JavaScript のマクロを使って、エディターから送られてくる値を前処理することができます。これらのマクロはどれだけ複雑にしてもかまいません。複数の演算子、ループ、関数、その他のあらゆる JavaScript の構成要素を使用することができます。

以下の行例は、デフォルトテンプレートで使用されている index.html ファイルのものです。

<div id="unity-build-title">{{{ PRODUCT_NAME }}}</div>

Player 設定の Product Name の値が My WebGL Game に設定されている場合、内部プリプロセッサー変数 PRODUCT_NAMEMy WebGL Game になります。出力される index.html ファイルの中で、この行は以下のように表示されます。

<div id="unity-build-title">My WebGL Game</div>

下は、同じ index.html テンプレートファイルからのより複雑な例です。

canvas.style.background = "url('" + buildUrl + "/{{{ BACKGROUND_FILENAME.replace(/'/g, '%27') }}}') center / cover";

ターゲットのビルドフォルダーの名前が Let’s try WebGL で、Player 設定で背景画像を選択すると、内部プリプロセッサー変数 BACKGROUND_FILENAMELet’s try WebGL.jpg の値になります。出力される index.html ファイルの中で、この行は以下のように変わります。

canvas.style.background = "url('" + buildUrl + "/Let%27s try WebGL.jpg') center / cover";

条件付きのディレクティブ

条件付きディレクティブ #if#else#endif は、前処理されたファイルの特定の部分を出力ファイルに保存するか、現在のビルドでは破棄するかを制御します。

#if ディレクティブで始まり、 #endif ディレクティブで終わるコードを条件付きグループと呼びます。条件付きグループには #else ディレクティブを入れることもできます。Unity は #if の後に記述された式を JavaScript 式として評価します。この式が、ブーリアンコンテキストで評価されるときに true に変換される真の値を持つ場合、Unity は出力ファイル内で #if ディレクティブの直後の行グループを維持します。#if 式が false で、#else ディレクティブが条件付きグループに含まれる場合、Unity は出力で #else ディレクティブの直後の行グループを維持します。条件付きグループの例を以下に示します。

#if EXPRESSION
  // this block is included in the output if EXPRESSION has a truthy value
#else
  // this block is included in the output otherwise
#endif

評価される JavaScript の式には、角かっこ、論理演算子、その他 JavaScript の構成要素を使うことができます。条件付きのディレクティブは、ネストにすることができます。

追加リソース

ウェブテンプレートの構造体とインスタンス化
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