Version: Unity 6.0 (6000.0)
言語 : 日本語
URP のカメラの Inspector ウィンドウのリファレンス
URP の物理カメラの Inspector ウィンドウのリファレンス

URP のカメラの Inspector ウィンドウのリファレンス

ユニバーサルレンダーパイプライン (URP) では、カメラの種類によって、Inspector に公開される Camera コンポーネントのプロパティが異なります。カメラのタイプを変更するには、Render Type を選択します。

ベースカメラは以下のプロパティを公開します。

オーバーレイカメラは以下のプロパティを公開します。

Projection

Property 説明
Projection カメラが透視をシミュレートする方法を制御します。
    Perspective そのままの視点でオブジェクトをレンダリングします。
    Orthographic オブジェクトを遠近感なく一様にレンダリングします。
Field of View Axis Unity がカメラの有効視野 (FOV) を測定する軸を設定します。

利用可能なオプション:
  • Vertical
  • Horizontal
このプロパティは、ProjectionPerspective に設定されている場合にのみ表示されます。
Field of View 選択した軸に沿って角度で測定されたカメラの視野角の幅を設定します。

このプロパティは、ProjectionPerspective に設定されている場合にのみ表示されます。
Size カメラのビューポートサイズを設定します。

このプロパティは、ProjectionOrthographic に設定されている場合にのみ表示されます。
Clipping Planes レンダリングの開始および終了地点のカメラからの距離を設定します。
    Near 描画を行う、カメラに最も近い点。
    Far 描画を行う、カメラから最も遠い点。
物理カメラ Inspector で物理カメラのシミュレーションを行うカメラの追加プロパティを表示します。物理カメラは、現実世界のカメラ属性 (Focal LengthSensor SizeShift) をシミュレートするプロパティで有効視野 (FOV) を計算します。

Physical Camera プロパティは、ProjectionPerspective に設定されている場合にのみ使用できます。

物理カメラ

Physical Camera プロパティは、現実世界のカメラのシミュレーションを行うための追加プロパティをカメラに追加します。詳細については、Physical Camera のリファレンスを参照してください。

レンダリング

Property 説明
Renderer このカメラが使用するレンダラーを選択します。
Post Processing ポストプロセスエフェクトを有効にします。
アンチエイリアス このカメラがポストプロセスのアンチエイリアスに使用する方法を選択します。カメラは、Temporal Anti-aliasing を使用しない限り、ポストプロセスのアンチエイリアスと同時に、ハードウェア機能であるマルチサンプルアンチエイリアス (MSAA) も使用できます。

以下のアンチエイリアスオプションがあります。
  • None: このカメラは、MSAA を処理することはできますが、ポストプロセスのアンチエイリアスは処理しません。
  • Fast Approximate Anti-aliasing (FXAA): ピクセル単位でエッジを滑らかにする全画面パスを実行します。
  • Subpixel Morphological Anti-aliasing (SMAA): 画像のエッジのパターンを検出し、そのパターンに従ってエッジ上のピクセルをブレンドします。
  • Temporal Anti-aliasing (TAA):色履歴バッファに蓄積された前のフレームを使用して、複数のフレームにわたってエッジを滑らかにします。
詳細については、ユニバーサルレンダーパイプライン (URP) のアンチエイリアスを参照してください。

このプロパティは、Render TypeBase に設定されている場合にのみ表示されます。
        Quality (SMAA) SMAA の品質を選択します。LowHigh のリソース消費量の差はごくわずかです。

利用可能なオプション:
  • Low
このプロパティは、Anti-aliasing ドロップダウンから Subpixel Morphological Anti-aliasing (SMAA) を選択した場合にのみ表示されます。
        Quality (TAA) TAA の品質を選択します。

利用可能なオプション:
  • Very Low
  • Low
  • Very High
このプロパティは、Anti-aliasing ドロップダウンから Temporal Anti-aliasing (TAA) を選択した場合にのみ表示されます。
        Contrast Adaptive Sharpening 高品質ポストシャープニングを有効にして、TAA ブラーを低減します。

この設定は、URP アセットで AMD FidelityFX Super Resolution (FSR) または Scalable Temporal Post-Processing (STP –>(universalrp-asset#quality) アップスケーリングを有効にするとオーバーライドされます。どちらも、アップスケーリングプロセスの一環としてシャープニングを処理するためです。

このプロパティは、Anti-aliasing ドロップダウンから Temporal Anti-aliasing (TAA) を選択した場合にのみ表示されます。
        Base Blend Factor 履歴バッファを現在のフレーム結果とブレンドする量を設定します。値が大きいほど履歴が多く、アンチエイリアスが向上しますが、ゴースティングが発生する可能性も高くなります。

このプロパティは、Anti-aliasing ドロップダウンから Temporal Anti-aliasing (TAA) を選択し、Inspector で Advanced Properties を有効にしたときのみ表示されます。
        Jitter Scale TAA が有効になっているときに適用されるジッターのスケールを設定します。値が低いほど、ちらつきやジッタリングが少なくなりますが、アンチエイリアスの効果も低下します。

このプロパティは、Anti-aliasing ドロップダウンから Temporal Anti-aliasing (TAA) を選択し、Inspector で Advanced Properties を有効にしたときのみ表示されます。
        Mip Bias レンダリング時にテクスチャのミップマップ選択をどれだけバイアスするかを設定します。

バイアスをプラスにすると、テクスチャはよりぼやけて見えるようになり、バイアスをマイナスにすると、シャープになります。ただし、値が低いとパフォーマンスにも悪影響があります。

ノート: テクスチャにミップマップを必要とします。

このプロパティは、Anti-aliasing ドロップダウンから Temporal Anti-aliasing (TAA) を選択し、Inspector で Advanced Properties を有効にしたときのみ表示されます。
        Variance Clamp Scale 色履歴が正しくない、または使用できない場合に Unity が近くのピクセルを見つけるために使うカラーボリュームのサイズを設定します。固定は、ピクセルの色が周囲のピクセルの色とどれだけ異なるかを制限します。

値が低いほどゴースティングを減らすことができますが、ちらつきがより大きくなります。値が高いほどちらつきは少なくなりますが、ブラーやゴースティングが発生しやすくなります。

このプロパティは、Anti-aliasing ドロップダウンから Temporal Anti-aliasing (TAA) を選択し、Inspector で Advanced Properties を有効にしたときのみ表示されます。
Stop NaNs 数値ではない (NaN) 値をカメラの黒いピクセルに置き換えます。これにより、特定のエフェクトが壊れるのを防止できますが、リソースが大量に消費され、悪影響が生じます。この機能は、修正不可能な NaN の問題が発生した場合のみ有効にしてください。

Stop NaNs パスは、ポストプロセスパスの開始時に実行されます。Stop NaNs を使用するには、カメラの Post Processing を有効にする必要があります。

Render TypeBase に設定されている場合にのみ使用できます。
Dithering 有効にすると、8 ビットディザリングが最終レンダリングに適用され、広いグラデーションと低いライト領域でのバンディングが軽減されます。

このプロパティは、Render TypeBase に設定されている場合にのみ表示されます。
Clear Depth 有効にすると、レンダリング時に前のカメラから深度が消去されます。

このプロパティは、Render TypeOverlay に設定されている場合にのみ表示されます。
Render Shadows 影のレンダリングを有効にします。
Priority 優先度の高いカメラは、優先度の低いカメラの上に描画されます。優先度の範囲は –100 から 100 です。

このプロパティは、Render TypeBase に設定されている場合にのみ表示されます。
Opaque Texture レンダリングされるビューのコピーである CameraOpaqueTexture をカメラが作成するかどうかを制御します。

利用可能なオプション:
  • Off: CameraOpaqueTexture を作成しません。
  • On: CameraOpaqueTexture を作成します。
  • Use Pipeline Settings: この設定の値は、レンダーパイプラインアセットによって決定されます。
このプロパティは、Render TypeBase に設定されている場合にのみ表示されます。
Depth Texture レンダリングされる深度値のコピーである _CameraDepthTexture をカメラが作成するかどうかを制御します。

利用可能なオプション:
  • Off: CameraDepthTexture を作成しません。
  • On: CameraDepthTexture を作成します。
  • Use Pipeline Settings: この設定の値は、レンダーパイプラインアセットによって決定されます。
ノート: _CameraDepthTexture は、AfterRenderingSkybox イベントと BeforeRenderingTransparents イベントの間、または深度プリパスを使用する場合は BeforeRenderingOpaques イベントで設定されます。レンダリングループ内でのイベントの順序の詳細については、インジェクションポイントを参照してください。
Culling Mask カメラがレンダリングするレイヤーを選択します。
Occlusion Culling オクルージョンカリングを使用します。

Stack

ノート:このセクションは、Render TypeBase に設定されている場合にのみ使用できます。

カメラスタックを使用すると、複数のカメラの結果を合成できます。カメラスタックは、ベースカメラと任意の数の追加のオーバーレイカメラで構成されます。

スタックのプロパティを使用してオーバーレイカメラをスタックに追加すると、オーバーレイカメラはスタックで定義された順序でレンダリングされます。カメラスタックの設定と使用方法の詳細については、カメラスタックの設定を参照してください。

Environment

Property 説明
Background Type このカメラのレンダーループ開始時のカラーバッファの初期化方法を制御します。詳細については、消去に関するドキュメントを参照してください。

このプロパティは、Render TypeBase に設定されている場合にのみ表示されます。
        スカイボックス カラーバッファを消去し、スカイボックスにして初期化します。スカイボックスが見つからない場合のデフォルトは背景色です。
        Solid Color カラーバッファを消去し、特定の色にして初期化します。
このプロパティを選択すると、Unity は以下の余分なプロパティを表示します。
Background: カメラはレンダリング前にカラーバッファをクリアしてこの色にします。
        Uninitialized カラーバッファを初期化しません。つまり、特定の RenderTarget のロードアクションは、LoadClear ではなく DontCare になります。DontCare は、RenderTarget の以前のコンテンツを保存する必要がないことを指定します。

このオプションは、カメラまたはカメラスタックがカラーバッファ内のすべてのピクセルに描画する場合に、パフォーマンスを最適化するためにのみ使用します。これを使用しない場合の、カメラが描画しないピクセルの動作は未定義です。

ノート: エディタはモバイルデバイスのタイルベースディファードレンダリング (TBDR) GPU では実行されないため、エディタとプレイヤーでは外観が異なる場合があります。TBDR GPU でこのオプションを使用すると、タイルメモリが初期化されず、コンテンツが未定義になります。
ボリューム このセクションの設定では、ボリュームがこのカメラに与える影響を定義します。
        Update Mode Unity がボリュームを更新する方法を選択します。

利用可能なオプション:
  • Every Frame: Unity がレンダリングするすべてのフレームでボリュームを更新します。
  • Via Scripting: スクリプトによってトリガーされたときのみボリュームを更新します。
  • Use Pipeline Settings: レンダーパイプラインのデフォルト設定を使用します。
        Volume Mask ドロップダウンを使用して、このカメラに影響を与えるボリュームを定義するレイヤーマスクを設定します。
        Volume Trigger Volume システムがこのカメラの位置を処理するために使用するトランスフォームを指定します。例えば、アプリケーションでキャラクターの三人称視点を使う場合、このプロパティーをキャラクターのトランスフォームに設定します。すると、カメラはキャラクターが入るボリュームのポストプロセス設定とシーン設定を使用します。トランスフォームを指定しなかった場合、代わりにカメラ自体のトランスフォームが使用されます。

Output

このセクションは、Render TypeBase に設定したときのみ使用できます。

ノート:カメラの Render TypeBase に設定され、Render TargetTexture に設定されている場合、Unity はカメラの Inspector で次のプロパティを非表示にします。

  • Target Display
  • HDR レンダリング
  • MSAA
  • Allow Dynamic Resolution

これは、レンダーテクスチャによってこれらのプロパティが決定されるためです。変更は、レンダーテクスチャアセットで行うことができます。

Property 説明
Output Texture このフィールドが指定されている場合は、このカメラの出力をレンダーテクスチャにレンダリングし、そうでない場合は画面にレンダリングします。
Target Display レンダリング先の外部デバイスを選択します。
Target Eye このカメラのターゲットの視点を設定します。

利用可能なオプション:
  • Both: 選択したカメラから XR レンダリングができるようになります。
  • None: 選択したカメラの XR レンダリングが無効になります。
Viewport Rect このカメラビューを画面のどこに描画するかを示す 4 つの値。測定単位はビューポート座標です (値の範囲は 0 から 1)。
    X Unity がカメラビューを描画するのに使用する、水平方向の開始位置。
    Y Unity がカメラビューを描画するのに使用する、垂直方向の開始位置。
    W カメラビューの画面上の出力の幅。
    H カメラビューの画面上の出力の高さ。
HDR Rendering このカメラのハイダイナミックレンジ (HDR) レンダリングをオンにします。
MSAA このカメラのマルチサンプルアンチエイリアスを有効にします。
Allow Dynamic Resolution このカメラの動的解像度レンダリングを有効にします。
URP のカメラの Inspector ウィンドウのリファレンス
URP の物理カメラの Inspector ウィンドウのリファレンス