Version: Unity 6.0 (6000.0)
言語 : 日本語
IL2CPP 追加引数のためのプラットフォーム固有の設定
スクリプトの制限

Linux IL2CPP クロスコンパイラー

Linux IL2CPP クロスコンパイラーは sysroot とツールチェーンのパッケージセットで、Linux 用 Unity エディターや Mono に頼ることなく、あらゆるスタンドアロンプラットフォーム上で Linux IL2CPP プレイヤーをビルドすることを可能にします。

要件を満たす場合、Linux をビルドターゲットとして選択すると、Unity は自動的にこれらのパッケージをインストールします。この処理が行われないようにし、独自の sysroot とツールチェーンのパッケージを使用したい場合は、Edit > Project Settings > Toolchain Management の順に移動して、Install Toolchain package automatically チェックボックスを無効にしてください。すでにこれらのパッケージがインストールされている場合は、パッケージマネージャーから削除する必要があります。

注意:追加の IL2CPP 引数を設定すると、プロジェクトのコンパイルに影響する場合があります。詳細は、IL2CPP の追加引数の処理方法 を参照してください。

Linux がビルドターゲットとして選択された Build Settings ウィンドウ
Linux がビルドターゲットとして選択された Build Settings ウィンドウ

必要な要件

Unity は、IL2CPP クロスコンパイラーパッケージをインストールするために以下が必要です。

  • Unity 2019.4 以降
  • 選択した Linux ツールチェーンパッケージに十分なディスクスペースがあること。詳細は、Linux ツールチェーンパッケージに必要なディスクスペース を参照してください。
  • スクリプティングバックエンドを IL2CPP に設定します。スクリプティングバックエンドを IL2CPP に設定するには、Edit > Project Setting > Player Settings > Setting for PC, Mac and Linux Standalone > Other Settings > Configuration の順に移動します。Scripting BackendIL2CPP に設定します。
  • IL2CPP モジュールIL2CPP モジュールのインストール方法については、モジュールの追加 のステップに従ってください。

Linux の sysroot パッケージ

Linux の sysroot パッケージとは、Linux 用のビルドに必要なヘッダーやライブラリをすべて含んだディレクトリのことです。

OS には、それぞれ独自のビルドシステムがあります。特定の OS のヘッダーやライブラリを使ってビルドする場合、ビルドされたプレイヤーは他の OS では動作しない可能性があります。そこで、Unity では、サポートされているすべての Linux プラットフォームで動作するビルドを作成するために sysroot を提供しています。

Linux ツールチェーンパッケージ

Unity は、macOS、Windows、Linux 用のツールチェーンパッケージを提供しています。これらのプラットフォームは、それぞれ固有の方法で Linux 用のビルドを行います。

Linux ツールチェーンパッケージとは、Unity が Linux 用にビルドするために必要なツール (コンパイラーやリンカーを含む) を、これらの各 OS から集めたものです。

Linux ツールチェーンパッケージに必要なディスク容量

パッケージのダウンロード、解凍、およびその使用を考慮して、十分なディスク容量を確保してください。

稀な例ですが十分な容量があるかどうかわからない場合は、UNITY_SYSROOT_CACHE 環境変数を定義して、圧縮されていない sysroot とツールチェーンのパッケージを保存するために使用します。環境変数とは Unity の外部で設定した変数で、Unity が参照できるものです。このケースでは、sysroot とツールチェーンのパッケージを解凍する際に Unity が参照できるキャッシュを設定します。環境変数は、OS に固有のものであるため、システムのガイドラインに従って設定する必要があります。

下の表は、各ツールチェーンパッケージに必要な総ディスク容量を示しています。

ツールチェーンパッケージ 必要なディスク容量
com.unity.toolchain.linux-x86_64 462MB
com.unity.toolchain.macos-x86_64-linux-x86_64 2GB
com.unity.toolchain.win-x86_64-linux-x86_64 2GB

Linux IL2CPP クロスコンパイラーの使用について

このページの要件をすべて満たしていれば、プロジェクトを Linux プレイヤーとしてビルドすることができます。Unity は、ビルド時に自動的に Linux IL2CPP クロスコンパイラーを使用します。

Linux プレイヤーをビルドするには、以下の手順で行います。

  1. Build Settings を開きます (メニュー: File > Build Settings)
  2. Windows, Mac, Linux オプションを選択します。
  3. Build Target オプションを Linux に設定します。
  4. Switch Platform ボタンをクリックします。
  5. プレイヤーをビルドします。Unity のメインメニューから、File に移動し、Build または Build and Run を選択します。

追加リソース

IL2CPP 追加引数のためのプラットフォーム固有の設定
スクリプトの制限