概念と用語
ここでは、シネマティックに関わる主な要素をSequencesの機能で表現し、その相互関係を説明します。
エディトリアル(編集)
エディトリアル(編集)は、全てのコンテンツをまとめて一本のシネマティックとすることで、Unity内に構造的かつ時系列的な構成を作り上げます。
Sequencesパッケージでは、エディトリアルタスクをより速く反復するために、2種類の補完的な要素を管理します:
Sequencesは 、エディトリアルを構成する 構造的なコンテナ として機能します。
Sequence アセットとバリアントは 、クリエイティブコンテンツ そのもので、Sequences に実装して使います。
Sequences
Sequences は、シネマティックなエディトリアルをモジュール方式で整理し、管理するための構造的なコンテナです。
エディトリアルの構成
エディトリアルとして、最大3階層までの深さのSequencesを構成することができます:
Master Sequenceは、シネマティックの最上位レベルを表します。同じUnityプロジェクト内に複数のMaster Sequenceを作成することができます。
Master Sequenceは複数のSequenceを含むことができ、そのSequenceもまた複数のSequenceを含むことができます。これらはすべて、階層的な位置に応じて、同じように動作し、同じ機能の恩恵を受けます。
この3レベルの構造は、例えば次のように使うことができます:
- Master Sequenceは、映画、映画の一部、シリーズのエピソード、ゲームシネマティック、アーキビズ、デザインシネマティックを表すことができます。
- Sequenceの第2階層は、語りたいストーリーに応じて異なる時間や場所の単位を表現することができます。
- 第3階層のSequenceは、あるカットから次のカットへのアニメーションのセクションを表現することができます。
初期構成の内容
あるSequenceの作成時に、Unityは自動的に必要なGameObjectとアセットを作成、設定、リンクし、エディトリアル構造のすべてのレベルを簡単にコントロールすることができます。
クリエイティブな観点からは、各Sequenceは、実装待ちのプレースホルダにあたります。
エディトリアルの実装
すでにあるクリエイティブなコンテンツを追加したり、新しいコンテンツを作成したりすることで、エディトリアル構造のどのレベルでもSequenceを作成することができます。
Sequences パッケージには、分類され、自己完結し、簡単に交換できるSequence アセット を使用することで、クリエイティブなコンテンツ要素を組織的かつモジュール的に管理するための機能があります。
注: コンテンツソースとその管理方法を完全にコントロールする必要がある場合、Unityエディタの基本機能を使用して、Sequenceに独自のアセットを実装することができます。ただし、その場合、SequencesパッケージのSequence アセット分類やIn-Context管理機能を利用することはできません。
Sequence アセット
Sequence アセットは、Sequenceのクリエイティブユニットを表します。例えば、キャラクター、カメラ、FX、ライティングセットなどです。
Sequence アセットには、静的な媒体もしくはアニメーションする媒体、またはその両方が含まれます。アニメーションする媒体とは、以下のようなものです:
- ベイク済み - 例:キャラクターのキーフレームアニメーション
- リアルタイム - 例:プロシージャルアニメーションで動くキャラクター
- ライブ - 例:バーチャルカメラ、モーションキャプチャー
- 記録データ - 例:バーチャルカメラの記録データ
Sequence アセットは、プレファブになっていますので、特定の構成と構造 を保持しつつ、Sequence内ですぐに使うことができます。
Sequence アセットバリアント を作成することで、Sequence アセットのバリエーションを安全に探索し、コンテキスト内で簡単に入れ替えることで、ご自身のニーズに合ったものを選べます。
すべてのSequence アセットとそのバリアントは、アセットコレクション にまとめられており、シネマティック制作中にそれらを識別し、整理しておくのに役立ちます。
アセットコレクション
デフォルトでは、7種類のアセットコレクションがあります:
アセットコレクションの種類 | 代表的な使用例 |
---|---|
Character | アニメーションするキャラクター(アクター)に使います。 |
Fx | 特殊効果(煙、炎、物理シミュレーション...)に使います。 |
Lighting | ライティングセットに使います。 |
Photography | カメラやコンポジットレイヤーに使います。 |
Prop | 各種アクセサリーに使います。 |
Set | 環境セットや背景セットに使います。 |
Audio | 音楽、音声、その他あらゆる効果音に使います。 |
Sequence アセットは、必ずアセットコレクションの一部となります。このコレクションは、UnityがエディタインターフェイスですべてのSequence アセットを再グループ化し、そのデータをプロジェクトフォルダに保存する方法を定義します。
Sequence アセットバリアント
Sequence アセットバリアントとは、プレファブバリアント のことです。簡単にいうと、次のようなものです:
Sequence アセットからバリアントを作成する場合。ベースとなるSequence アセット側で変更された可能性のあるすべてのプロパティを、バリアントは動的に継承します。
ベースとなる Sequence アセットに影響を与えることなく、バリアントの特定のプロパティにローカルでオーバーライドを適用できます。
必要であれば、バリアントからそのベースとなるSequence アセットにオーバーライドをバックポートすることができます。これは、その他のバリアントが関係するプロパティのローカルオーバーライドを持っていない限り、このベースとなるSequence アセットのすべてのバリアントにわたって、特定の変更を自動的に展開します。
注: Sequences パッケージでは、同じ Sequence アセットに基づいているバリアントを複製することはできますが、バリアント自身のバリアントを作成することはできません。
エディトリアルカット
エディトリアル構造内の任意のSequenceをトリミングして、シネマティックに必要なSequenceやSequenceアセットトラックの部分のみを取得することができます。また、それらの並び替えもできます。
エディトリアル構造でカットされたSequenceアセットトラックの概念例。