フラグメントコンテキスト
このコンテキストは、シェーダーのフラグメントステージを表します。このコンテキストに 互換性のあるブロック を加えて、最終シェーダーにプロパティーを設定することができます。このコンテキストでブロックに接続しているノードはすべて、最終シェーダーのフラグメント関数の一部になります。
互換性のあるブロック
このセクションでは、HD レンダーパイプライン (High Definition Render Pipeline、HDRP) において、フラグメントコンテキストと互換性のあるブロックをリスト化します。各エントリーには以下が含まれます。
- ブロック名
- ブロックの機能の説明
- ブロックが関連する Graph Settings メニュー 内の設定。これらの設定を有効にすると、Shader Graph はコンテキストにブロックを加えします。設定を無効にすると、Shader Graph はコンテキストからブロックを削除します。ブロックを追加して設定を有効にしない場合は、Shader Graph は最終シェーダーをビルドする際にブロックおよび接続しているノードを無視します。
- ブロックの Setting Dependency (依存関係の設定) を有効にしてコンテキストからブロックを削除した場合に、Shader Graph が使うデフォルト値
プロパティー | 説明 | 依存関係の設定 | デフォルト値 |
---|---|---|---|
Ambient Occlusion | マテリアルのアンビエントオクルージョンです。これは、メッシュジオメトリではなく、マテリアルに存在するディテールによって作られた、ゲームオブジェクトのサーフェス上のフラグメントのオクルージョンを近似します。値が 0 の場合、フラグメントが完全に塞がれていることを示し、黒く表示されます。値が 1 の場合は、フラグメントがまったく塞がれていないことを意味し、環境光の色は変わりません。 | None | 1.0 |
Alpha | マテリアルのアルファ値です。マテリアルの透明度を決定します。想定範囲は 0 - 1 です。 | None | 1.0 |
Alpha Clip Threshold | 各ピクセルをレンダリングするか判断するために HDRP が使うアルファ制限値です。ピクセルのアルファが制限値以上の場合、HDRP はピクセルをレンダリングします。値が制限値より低い場合は、HDRP はピクセルをレンダリングしません。デフォルト値は 0.5 です。 | • Alpha Clipping は有効 | 0.5 |
Alpha Clip Threshold Depth Postpass | 透明深度ポストパスに HDRP が使うアルファ値制限です。ピクセルのアルファ値が制限と等しいあるいは高い場合、HDRP はピクセルをレンダリングします。値が制限値より低い場合は、HDRP はピクセルをレンダリングしません。デフォルト値は 0.5 です。 | • Alpha Clipping 有効 • Transparent Depth Postpass 有効 |
0.5 |
Alpha Clip Threshold Depth Prepass | 透明深度プレパスに HDRP が使うアルファ制限値です。ピクセルのアルファ値が制限値以上の場合、HDRP はピクセルをレンダリングします。値が制限値より低い場合は、HDRP はピクセルをレンダリングしません。デフォルト値は 0.5 です。 | • Alpha Clipping は有効 • Transparent Depth Prepass は有効 |
0.5 |
Alpha Clip Threshold Shadow | ピクセルの影をレンダリングするか判断するために HDRP が使うアルファ制限値です。ピクセルのアルファ値が制限値以上の場合、HDRP はピクセルをレンダリングします。値が制限値より低い場合は、HDRP はピクセルをレンダリングしません。デフォルト値は 0.5 です。 | • Use Shadow Threshold は有効 | 0.5 |
Anisotropy | 異方性エフェクトの方向です。マイナス値は垂直に、プラス値は水平になります。 | • Anisotropy 有効 | 0.0 |
Anisotropy B | 2 番目のローブの異方性エフェクトの方向です。マイナス値は垂直に、プラス値は水平になります。 | • Anisotropy 有効 • Dual Specular lobe 有効 |
1.0 |
Baked Back GI | メッシュの裏 面 のみに適用するグローバルイルミネーション (GI) 値です。ビルトインのディフューズ GI ソリューションを置き換えます。 このポートは Override Baked GI 設定を有効化したときのみに表示されます。 |
• Override Baked GI 有効 | 0.0 |
Baked GI | メッシュの表 面 のみに適用するグローバルイルミネーション (GI) 値です。ビルトインのディフューズ GI ソリューションを置き換えます。 | • Override Baked GI 有効 | 0.0 |
Bent Normal | フラグメントのベント法線です。HDRP はベント法線マップを使い、より正確なアンビエントオクルージョンのシミュレーションを行います。ベント法線は、ディフューズライトとのみ、機能します。 | • Material は Eye、Fabric、Hair、Lit、または StackLit に設定 | CoordinateSpace.Tangent |
Base Color | マテリアルのベースカラーです。 | None | Color.grey |
Coat Extinction | コートが最も吸収する色を決定する、HDR カラーです。このプロパティーは Coat Thickness と使用して吸収係数を計算します。 | • Material は StackLit に設定 • Coat 有効 |
Color.white |
Coat IOR | コーティングレイヤーに使う屈折率です。 | • Material は StackLit に設定 • Coat 有効 |
1.4 |
Coat Mask | マテリアルにクリアコートの効果をシミュレートし、車の塗装やプラスチックを模倣するマスクです。 | • Material は StackLit に設定 • Coat 有効 |
0.0 |
Coat Normal Object Space | コートのためのオブジェクト空間の法線です。 | • Material は StackLit に設定 • Coat 有効 • Coat Normal 有効 • Fragment Normal Space は Object に設定 |
CoordinateSpace.Object |
Coat Normal Tangent Space | コートのための接線空間の法線です。 | • Material は StackLit に設定 • Coat 有効 • Coat Normal 有効 • Fragment Normal Space は Tangent に設定 |
CoordinateSpace.Tangent |
Coat Normal World Space | コートのためのワールド空間の法線です。 | • Material は StackLit に設定 • Coat 有効 • Coat Normal 有効 • Fragment Normal Space は World に設定 |
CoordinateSpace.World |
Coat Smoothness | コートのスペキュラーローブの滑らかさです。コートにディフューズコンポーネントはありませんが、このプロパティーはベースレイヤーのディフューズ色に影響します。また、この値が減少すると、ベースレイヤーの滑らかさが低下します。 | • Material は StackLit に設定 • Coat 有効 |
1.0 |
Coat Thickness | コートの吸収の効果の強度です。このプロパティーは Coat Extinction と使用すると、吸収係数を計算します。値が 0 の場合は吸収はなく、値が 1 の場合、完全に吸収します。 | • Material は StackLit に設定 • Coat 有効 |
0.0 |
Depth Offset | Shader がフラグメントの深度を増大させるために使う値です。現実的な結果を得るために、この Block には、視差オクルージョンマッピング ノードの結果を入力する必要があります。 | • Depth Offset 有効 | 0.0 |
Dielectric IOR | メタリック値が 0 のときに、マテリアルのスペキュラーカラーを決定する屈折率です。 | • Material は StackLit に設定 • Base Color Parametrization は Base Metallic に設定 |
1.5 |
Diffusion Profile | サブサーフェススキャタリングおよび透過に使う Diffusion Profile です。 | • Material Type は Subsurface Scattering または Translucent に設定 | 0.0 |
Distortion | 画面スペースで HDRPがマテリアルを通過する光を歪める方向ごとの量。例えば、これを (1, 0) に設定すると、出力は右に 1 ピクセルオフセットされます。 | • Distortion 有効 | Vector2(0, 0) |
Distortion Blur | 歪曲効果のブラーの強度です。 | • Distortion 有効 | 0.0 |
Emission | マテリアルのサーフェスから発するライトの色です。エミッシブマテリアルは、シーンの光源として表示されます。 | None | Color.black |
Hair Strand Direction | ヘアカードでモデリングを実行する際の、毛根から毛先にかけて髪の毛が流れる方向です。 | • Material は Hair に設定 | Vector3(0, -1, 0) |
Haze Extent | 中央のスペキュラーハイライト周辺のもや、またはハローの効果の範囲。 | • Material は StackLit に設定 • Duel Specular Lobe Parametrization は Hazy Gloss に設定 |
3.0 |
Haziness | もや、またはハロー効果の強度です。値が 0 の場合、効果はなく、値が 1 の場合は効果がフルに発揮されます。 | • Material は StackLit に設定 • Duel Specular Lobe Parametrization は Hazy Gloss に設定 |
0.2 |
Hazy Gloss Max Dielectric F0 | Metallic が 0 の際の、スペキュラーハイライトの最大強度です。メタリック値が増すにつれ、最大強度は 1 に向かって緩和します。 | • Material は StackLit に設定 • Base Color Parametrization は Base Metallic に設定 • Duel Specular Lobe Parametrization は Hazy Gloss に設定 |
0.25 |
IOR | マテリアルの屈折率です。屈折率は、真空中の光の速さとマテリアルの媒体中の光の速さの比率を定義します。値が高くなると、屈折もより大きくなります。 | • Material Type は Eye に設定 | 1.4 |
Iridescence Coat Fixup TIR | 全内部反射 (TIR) 角度が常にグレージング角になるよう、内部遊色モデルを調整する量を設定します。つまり、全体のコートおよび遊色の厚さに関わらず、TIR 領域は常に見えないことを意味します。 | • Material Type は StackLit に設定 • Iridescence 有効 • Coat 有効。 |
0.0 |
Iridescence Coat Fixup TIR Clamp | カラー反転フェーズを固定する値です。これは、角度範囲のグレージング角度の終点にあります。これにより、振動は 0 度の視野角に向かってのみ "伸長" し、厚みの減少がより明確になります。 | • Material Type は StackLit に設定 • Iridescence 有効 • Coat 有効 |
0.0 |
Iridescence Mask | 遊色効果の強度です。 | • Material Type は StackLit に設定 • Iridescence 有効 |
0.0 |
Iridescence Thickness | 遊色の厚さです。遊色効果が生み出す、色のグラデーションを変更します。 | • Material Type は StackLit に設定 • Iridescence 有効 |
0.0 |
Iris Normal Object Space | オブジェクト空間における瞳の法線です。 | • Material Type は Eye に設定 • Iris Normal 有効 • Fragment Normal Space は Object に設定 |
CoordinateSpace.Object |
Iris Normal Tangent Space | 接線空間における瞳の法線です。 | • Material Type は Eye に設定 • Iris Normal 有効 • Fragment Normal Space は Tangent に設定 |
CoordinateSpace.Tangent |
Iris Normal World Space | ワールド空間における瞳の法線です。 | • Material Type は Eye に設定 • Iris Normal 有効 • Fragment Normal Space は World に設定 |
CoordinateSpace.World |
Lobe Mix | 主要と補助のスペキュラーローブを混合する量です。 | • Duel Specular Lobe 有効 • Duel SpecularLobe Parametrization は Direct に設定 |
0.3 |
MAOS Alpha | Metallic、Ambient Occlusion、および Smoothness 値の不透明度です。 | • Material Type は Decal に設定 | 1.0 |
Mask | 現在のフラグメントが、虹彩と強膜のどちらを示すかを指定します。Shader Graph は、この Vector2 の X 成分のみを使います。値が 0 の場合、フラグメントは強膜を表現し、値が 1 の場合は虹彩を表現します。0 と 1 の間の値は、強膜と虹彩のリニアなブレンドを表現します。 | • Material は Eye に設定 | Vector2(1.0, 0) |
Metallic | マテリアルのメタリック値です。マテリアルのサーフェスがどれくらい "金属のように" 見えるかを定義します (0 から 1 の範囲)。サーフェスがよりメタリックな場合、より多く環境を反射し、そのアルベド色が目立たなくなります。メタリックレベルがフルの場合、サーフェスの色は環境からのリフレクションに完全に影響されます。表面のメタリック度が少ないと、アルベド色はよりはっきりとし、サーフェスのリフレクションはすべて、サーフェスの色を曖昧にするのではなく、その上に重なって見えます。 | None | 0.0 |
Normal Tangent Space | 接線空間におけるマテリアルの法線です。 | • Fragment Normal Space は Tangent に設定 | CoordinateSpace.Tangent |
Normal Object Space | オブジェクト空間におけるマテリアルの法線です。 | • Fragment Normal Space は Object に設定 | CoordinateSpace.Object |
Normal World Space | ワールド空間におけるマテリアルの法線です。 | • Fragment Normal Space は World に設定 | CoordinateSpace.World |
Normal Alpha | マテリアルの法線のブレンド要因です。デカールが投影するマテリアルの法線を修正します。値が 0 の場合、デカールが投影するサーフェスの法線に影響を与えません。値が 1 の場合は、デカ―ルがサーフェスの法線を完全にオーバーライドします。 | • Material は Decal | 1.0 |
Refraction Color | 屈折マテリアルを通過するライトを色づけるカラーです。 | • Refraction Model を None に設定しない | 0.0 |
Refraction Distance | Refraction Color が最高強度で入射光に影響を与える、オブジェクトの厚さです。 | • Refraction Model を None に設定しない | 0.0 |
Refraction Index | 真空状態における光のスピードとマテリアルの媒体における光のスピードの比率。値が高くなるほど、屈折度が上がります。 | • Refraction Model を None に設定しない | 0.0 |
Rim Transmission Intensity | 髪の端周辺の逆光の強度です。0 に設定すると、透過の効果が完全に除去されます。 | • Material は Hair に設定 | 0.2 |
Secondary Smoothness | 補助的なスペキュラーハイライトの見た目。この値を上げると、ハイライトがより小さくなります。 | • Material は Hair に設定 | 0.5 |
Secondary Specular Shift | 補助的なスペキュラーハイライトの位置です。 | • Material は Hair に設定 | -0.1 |
Secondary Specular Tint | 補助的なスペキュラーハイライトの色です。 | • Material は Hair に設定 | Color.grey |
Shadow Tint | シャドウカラーと不透明度です。 | • Material は Unlit に設定 • Shadow Matte 有効 |
Color.black |
Smoothness | マテリアルの滑らかさです。滑らかなサーフェスに当たるすべての光線は、予測可能な一定の角度で跳ね返ります。光を鏡のように反射する完全に滑らかなサーフェスのためには、この値を 1 に設定します。スムーズでない表面は(光がマイクロサーフェスの凸凹に当たるため)より広い範囲の角度で光を反射します。そのため、リフレクションにはディテールが少なくなり、より拡散したパターンでサーフェス全体に広がります。 | None | 0.5 |
Smoothness B | 補助的スペキュラーローブの滑らかさです。 | • Material は StackLit に設定 • Dual Specular Lobe 有効 • Dual SpecularLobe Parametrization は Direct に設定 |
0.5 |
Specular Color | マテリアルのスペキュラーカラー値です。スペキュラーハイライトの明度と色合いを定義します。 | None | Color.grey |
SO Fixup Max Added Roughness | アーティファクトを減らすために、ベント (曲がった) 法線の修正処理が追加できる最大の粗さです。 | • Material は StackLit に設定 • Specular Occlusion (from input AO) は SPTD Integration Of Bent AO に設定 |
0.2 |
SO Fixup Strength Factor | HDRP がベント法線からノイズを減らすために使う、修正プロセスの強度です。 | • Material は StackLit に設定 • Specular Occlusion (from input AO) は SPTD Integration Of Bent AO に設定 |
1.0 |
SO Fixup Visibility Ratio Threshold | オクルージョンのしきい値で、それより小さい値では、HDRP がベント法線を修正します。これはベント法線のノイズ除去に役立ちます。オクルージョン値がこの値を上回ると、HDRP はベント法線を修正しません。 | • Material は StackLit に設定 • Specular Occlusion (from input AO) は SPTD Integration Of Bent AO に設定 |
0.2 |
Specular AA Screen Space Variance | ジオメトリックスペキュラーアンチエイリアス 効果の強度です (0 と 1 の間)。値が高いと、それだけエイリアシングが少なく、よりぼやけた結果が得られます。 | • Specular AA 有効 | 0.0 |
Specular AA Threshold | アーティファクトを減らすために、HDRP がスムースネス値から差し引く最大値です。 | • Specular AA 有効 | 0.0 |
Specular Occlusion | スペキュラーグローバルイルミネーションの強さの乗数です。 | • Specular Occlusion Mode は Custom に設定 | 1.0 |
Specular Shift | 主要スペキュラーハイライトの位置です。 | • Material は Hair に設定 | 0.1 |
Specular Tint | 主要スペキュラーハイライトの色です。 | • Material は Hair に設定 | Color.white |
Subsurface Mask | マテリアル全体のスクリーンスペースのブラーエフェクトの強度です。 | • Material は Lit に設定 • Material Type は Subsurface Scattering に設定 |
1.0 |
Tangent Object Space | オブジェクト空間における異方性の方向です。指定した方向にスペキュラーハイライトを引き伸ばします。 | • Material は Lit に設定 • Material Type は Anisotropy に設定 • Fragment Normal Space は Object に設定 または • Material は StackLit に設定 • Fragment Normal Space は Object に設定 Or • Material は Fabric に設定し、Material Type は Silk に設定 • Fragment Normal Space は Object に設定 |
CoordinateSpace.Tangent |
Tangent Tangent Space | 接線空間における異方性の方向です。指定した方向にスペキュラーハイライトを引き伸ばします。 | • Material は Lit に設定 • Material Type は Anisotropy に設定 • Fragment Normal Space は Tangent に設定 または • Material は StackLit に設定 • Fragment Normal Space は Tangent に設定 Or • Material は Fabric に設定し、Material Type は Silk に設定 • Fragment Normal Space は Tangent に設定 |
CoordinateSpace.Tangent |
Tangent World Space | ワールド空間における異方性の方向です。指定した方向へスペキュラーハイライトを引き伸ばします。 | • Material は Lit に設定 • Material Tpe は Anisotropy に設定 • Fragment Normal Space は World に設定 または • Material は StackLit に設定 • Fragment Normal Space は World に設定 Or • Material は Fabric に設定し、Material Type は Silk に設定 • Fragment Normal Space は World に設定 |
CoordinateSpace.World |
Thickness | HDRP が透過を評価するために使う、表面の厚さです。 | • Material Type を Subsurface Scattering に設定し、Transmission を有効化。 または • Material Type を Transluscent に設定。 または • Refraction Model を None に設定しない。 |
1.0 |
Transmittance | 後方から髪を通り抜けるスペキュラーライティングの一部です。これはカラーごとのチャンネルベースなので、通り抜けるライトの色を設定するためにこのプロパティーを使うことができます。これを(0、0、0)に設定すると、ライトが髪を通り抜けるのを防ぐことができます。 これを(1、1、1)に設定すると、髪の毛を通り抜ける多くの白色光で強い効果が得られます。 | • Material は Hair に設定 | Vector3(0.3, 0.195, 0.09) |