Diffusion Profile
HD レンダーパイプライン (High Definition Render Pipeline、HDRP) は大部分の Subsurface Scattering 設定を Diffusion Profile アセットに格納します。Diffusion Profile アセットは、Subsurface Scattering を使うマテリアルに直接割り当てることができます。
Diffusion Profile を作成するには、Assets > Create > Rendering > Diffusion Profile の順に選択します。
- それをデフォルトで使うには、プロジェクト設定を開き、Graphics > HDRP Settings セクションで Diffusion Profile List に追加します。
- 特定の Volume で使うには、Diffusion Profile Override のあるボリュームを選択し、Diffusion Profile List に追加します。
プロパティー
プロパティー | 説明 |
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Name | Diffusion Profile の名前です。 |
Scattering Distance | カラーピッカーを使って、Diffusion Profile の形状およびブラー半径を選択します。面の下でライトがどれくらい遠くまで届くかを定義します。これは色のにじみと Subsurface Scattering のブラー動作、ならびに透過の色合いに影響します。 |
Max Radius | Scattering Distance で定義するエフェクトの最大有効半径 (ミリメートル単位) を表示する、有用なヘルパー値です。この値は直接変更できません。 |
Index of Refraction | スライダーを使って、マテリアルの屈折動作を設定します。値が大きければそれだけ鏡面反射強度が増します。例えば、スキンの屈折率は約 1.4 です。異なるマテリアルの屈折率のその他の例は、Pixel and Poly の 屈折率値のリスト を参照してください。 |
World Scale | Diffusion Profile に対する Unity のワールド単位のスケールを制御します。デフォルトにより、HDRP は Unity ユニットの 1 は 1 メートルと解釈します。このプロパティーは、Subsurface Scattering パスのみに影響します。 |
Subsurface Scattering のみ
プロパティー | 説明 |
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Texturing Mode | ドロップダウンから HDRP がマテリアルのアルベドを適用するときを選択します。 • Post-Scatter: HDRP は Subsurface Scattering パスの後に、アルベドをマテリアルに適用します。つまり、アルベドテクスチャのコンテンツにブラーはかかりません。このモードは、Subsurface Scattering により既にいくらかブラーを含む、スキャンされたデータおよび写真に使います。 • Pre- and Post-Scatter: Subsurface Scattering パスの前と後の 2 回に分けて、アルベドが適用されます。アルベドを効率よくぼかし、より柔らかく、自然な外観を実現します。 |
Transmission only
プロパティー | 説明 |
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Transmission Mode | ドロップダウンからライトの透過を計算する方法を選択します。 • Thick Object: 幾何学上、厚さのあるオブジェクトを指します。このモードはシャドウマップを利用するため、ディレクショナルライトは Thickness Map のみに依存する薄いオブジェクトモードに自動的に切り替わりますので、注意してください (ディレクショナルライトのシャドウマップが緻密に厚さを予測しないため)。 • Thin Object: 薄い両面ジオメトリです。 |
Transmission Tint | (オブジェクトを透過する) 半透明ライティングのティントを特定します。 |
Min-Max Thickness (mm) | Thickness Map (Thickness Map) に格納されるテクセル値の範囲 [0, 1] に呼応する厚さの値 (ミリメートル単位) の範囲を設定します。この範囲は下の Thickness Remap (mm) スライダーの最小値と最大値に一致します。 |
Thickness Remap (mm) | Thickness Map (Thickness Map) に格納されるテクセル値の範囲 [0, 1] に呼応する厚さの値 (ミリメートル単位) の範囲を設定します。この範囲は上の Min-Max Thickness (mm) フィールドに表示されます。 |
Profile Previews
プロパティー | 説明 |
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Profile Preview | 中央に位置するソースから散乱するライトの一部を表示します。画像の境界までの距離は、最大半径と一致します。 |
Transmission Preview | Thickness Remap (mm) の値に応じて、ゲームオブジェクトを通過するライトの一部を表示します。 |
異なる Transmission Mode の使用法
2 つの Transmission Modes 間の違いは、シャドウの使い方です。 ライトでシャドウを無効にした場合、両方の Transmission Modes から同じ結果が得られ、その外観は Thickness Map および Diffusion Profile から派生します。 シャドウを有効にした場合、違う結果が得られます。Thin Object モード (フロントフェイスで 1 度だけシャドーイングを評価する) に (厚いオブジェクトに対して) セルフシャドーイング問題が発生する確率が高くなり、オブジェクトは真っ黒になってしまいます。Thick Object モードの厚みはシャドウマップから派生し、ベイクされた厚みとシャドウの厚さの間の最大値を取って光のトランスミッタンスを評価します。
HDRP がシャドウマップから得る距離を制御することはできないので、シャドウを有効にしてから全体的な透過強度が希望範囲に達するまで Scattering Distance を調整し、Thickness Map でシャドーマッピングアーティファクトをマスクする方法が、Thick Object にアプローチする最善策です。