メタリックワークフロー (スペキュラワークフローと対照) で作業する場合、サーフェスの反射率とライトの反応は、Metallic* レベルと Smoothness レベルによって調整されます。
このワークフローを使用している場合でも鏡面反射(Specular reflections)は生成されますが、これは直接設定されるのではなく、Metallic と Smoothness の設定レベルに応じて自動で生成されます。
Metallic モードは単に金属的に見えるマテリアルのためにあるわけではありません。 サーフェスがどれくらい金属的であるか非金属的かという制御を行うので、このモードは Metallic として知られています。
マテリアルの Metallic プロパティは、表面がどれくらい金属的かを決定します。表面がより金属的な場合には、より周囲の景色を反射し、そのアルベド色は見えにくくなります。metallic レベルが最大の場合、表面色は完全に環境からの反射によって制御されます。表面が metallic でなくなると、アルベド色がより鮮明になり、表面反射は、不明瞭になるのではなく、表面色の上に表示されて見えるようになります。
デフォルトの、テクスチャが貼られていない状態では、Metallic と Smoothness のプロパティはそれぞれスライダーによって制御されます。ある種のマテリアルにはこれで十分です。しかし、もしモデル表面のアルベドテクスチャ内にサーフェイス種類のミックスされた領域があるなら、それらさまざまな異なるマテリアル表面の Metallic と Smoothness のレベルをそれぞれ制御するためのテクスチャマップを使う事ができます。例えば、金属製のバックルやジッパー部分などを含むキャラクターの衣装用テクスチャなどです。バックルやジッパーは、服の布地部分よりも Metallic 値を高くしたい部分になります。単一のスライダーによる調整ではなく、布地部分は暗く抑えたまま、バックルとジッパーの領域だけを明るいピクセル色に指定したテクスチャマップを用いる事で、これを実現できます。
Metallic プロパティにテクスチャが適用されると、Metallic と Smoothness のスライダーはどちらも非表示になります。マテリアルの Metallic レベル はテクスチャのRチャンネルによって制御され、Smoothness レベルはテクスチャのαチャンネルで制御されます(GチャンネルとBチャンネルは使用されません)。つまり、一枚のテクスチャで荒い面と滑らかな面、金属的な面とそうでない面を設定できるという事です。この事は、モデルの大部分が、さまざまな素材のあるテクスチャマップで覆われている場合に、とても便利です。例えば、キャラクター用のテクスチャマップ一枚に、皮の靴、布の服、手と顔の肌、金属製のバックルなど、複数のサーフェイスタイプが含まれている事はよくあります。
上記の画像の例では Albedo マップを持たせていますが Metallic のテクスチャは持たせていません。つまり、オブジェクト全体で同一の Metallic と Smoothness の値を使用しており、これは理想的ではありません。革のストラップや金属製の留め金、ステッカー、持ち手のそれぞれが異なる表面プロパティを持つように表現される必要があります。
この例では、Metallic/Smoothness テクスチャマップが割り当てられています。バックルは高い Metallic 値を持ち、それに応じて光に反応します。革のストラップは、箱の革製の本体よりも光沢がありますが、Metallic 値は低いため、金属製ではなく表面が光っているように見えます。右端の白黒マップは、金属の明るい部分と、革の中間から低めのグレーを示しています。