Windows ストア: IL2CPPスクリプトバックエンドでプラグイン
現時点では、 IL2CPP スクリプティングバックエンドによる Windows Store 向けのプラグイン方式は、 .NET よりはむしろ Unity の他のプラットホーム (Windows スタンドアローン版など) とよく似ています。
マネージドプラグイン
.NET スクリプトバックエンドと違って、IL2CPP スクリプトバックエンドは、.NET 4.5 やWindows Runtime API を対象としたマネージドプラグインをサポートしません。すべてのマネージドプラグインは、.NET 3.5 か 同等の API を対象とする必要があります。
.NET スクリプトバックエンドと比べてもう1つの違いは、スクリプトバックエンドでの IL2CPP 設定は、Unity エディターかスタンドアロンプレイヤーとしてまったく同じ.NET API サーフェイスの影響を受けることです。したがって、Windows ストア用の異なる.NET API の別々の対象バージョンをコンパイルする必要性がなく、同じプラグインを使用することができます。
ネイティブプラグイン
スクリプトバックエンドでの IL2CPP 設定では、P/Invoke メカニズムを介してネイティブブラグインを使用しサポートしています。ネイティブ関数のプロトタイプを指定し呼び出すことによって、C# のコード から直接ネイティブプラグインに呼び出すことができます。例えば
[DllImport("MyPlugin.dll")]
private static extern int CountLettersInString([MarshalAs(UnmanagedType.LPWSTR)]string str);
private void Start()
{
Debug.Log(CountLettersInString("Hello, native plugin!"));
}
extern "C" __declspec(dllexport)
int **stdcall CountLettersInString(wchar_t* str)
{
int length = 0;
while (*str++ != nullptr)
length++;
return length;
}
- AnsiBStr
- BStr
- Currency
- SAFEARRAY
- IDispatch
- IUnknown
- TBStr
- VBByRefStr
x86 での P/Invoke 関数用デフォルトのコーリングコンベンションは、**stdcallです。
ネイティブプラグインは、2通りの方法で作成することができます。precompiled DLL とC++ ソースコードです。
Precompiled ネイティブプラグイン
ランタイムで DLL をロードし、関数のエントリーポイントを見つけ、呼び出すことによって、プリコンパイルしたネイティブプラグインを呼び出して P/Invoke が動作します。対象のCPU アーキテクチャ用の適切な Windows SDK に反してコンパイルする必要があります。DLL は、Unity プロジェクトに追加されるとき Plugin インスペクター上でも設定しなければいけません。
C++ ソースコードのネイティブプラグイン
Unity プロジェクトに直接 C++ (.cpp) コードファイルを追加することが可能です。それは、プラグインインスペクターでプラグインとして動作します。Windows Store やスクリプトバックエンド上の IL2CPP と互換性があるように設定された場合、これらの C++ ファイルはマネージド・アセンブリから生成されて取得した C++ コードと一緒にコンパイラされます。
関数が生成された C++ コードと一緒にリンクされるので、P/Invokeする separate のDLLはありません。これに起因して、ランタイム時に関数をロードするよりむしろ解決することは C++ リンカの責任になり、DLLの名前に代わって Internal キーワードを使用することができます。
[DllImport("__Internal")]
private static extern int CountLettersInString([MarshalAs(UnmanagedType.LPWSTR)]string str);
P/Invoke の制限
Windows Store では、スクリプトバックエンドで IL2CPP を設定する場合、dll の名前（kernelbase.dll のような）を指定することで特定のシステムライブラリに P/Invoke することはできません。プロジェクトの外部に存在する DLL に P/Invoke を試みることでランタイム時 DllNotFoundException になります。
しかし、ビルド時に関数を解決するリンカになる DLL 名に代わって、「**Internal」のキーワードを指定することで、まだこれらのシステム関数に P/Invoke することが可能です。
参照
Plugin インスペクター MyPlugin.dll 内でのこの関数の実装は、以下のようになります。 未対応の少数タイプを除き、P/Invoke のマーシャリングは、公式の.NETマーシャリングのルールと一致します。 コールはリンカによって解決されるので、マネージドサイドで関数の宣言内にエラーを発生するとリンカのエラーを生じます。これはまたダイナミックなロードがランタイム時に行われる必要がないことを意味し、関数は直接呼び出されます。これによって、著しくP/Invoke コールのオーバーヘッドを減少します。