Version: 2020.3
言語: 日本語
Scripted Importer
アセットのメタデータ

インポーターの一貫性

アセットインポーターは、作成した Scripted Importer も含めて、一貫した (決定論的な) 結果を提供すべきです。つまり、同じ入力と一群の依存関係から、常に同じ出力を生成する必要があります。

インポーターが上記の状態であることを確認するために、現在プロジェクトにあるアセットのインポート結果の一貫性を確認する以下のような 2 つの方法があります。

  • エディターで 1 つまたは複数のアセットを手動で再インポートする。

  • -consistencyCheck コマンドライン引数を使ってエディターを開く。

手動の再インポートによる一貫性チェック

アセットを手動で再インポートすると、Unity は新しいインポート結果が以前にキャッシュされたインポート結果と一致するかどうかを確認します。

手動での再インポートを始めるには、アセットを右クリックし、コンテキストメニューから Reimport を選択します。

次に、Unity はインポート結果の一貫性をチェックします。結果の不一致が検出されると、Unity はコンソールウィンドウに警告を表示し、どのインポーターが問題を起こしたのか、以下のような詳細を表示します。

Importer(<name of importer>) generated inconsistent result for asset(guid:<guid of the asset>) "<name of asset>"

ルートアセットを再インポートすると、Unity はその子アセットも再インポートして一貫性チェックを行います。

コマンドラインによる一貫性チェック

一貫性チェックの 2 つ目の方法は、-consistencyCheck コマンドライン引数を使って Unity を開くことです。これは、プロジェクト内のすべてのアセットとインポーターに対して一貫性チェックを行います。

コマンドライン引数 説明
-consistencyCheck 起動時に、一貫性チェックを行うようにエディターに指示します。デフォルトでは “ローカル” チェックを行います (下記参照)。 -consistencyCheck
-consistencyCheckSourceMode string アセットのインポートを比較する際に、一貫性チェックツールがチェックするソースを設定します。設定可能な値は “local” か “cacheserver” の 2 つです。

“local” は、すべてのアセットをローカルに再インポートし、インポートが前回のものと異なるかどうかをチェックします。

“cacheserver” は、キャッシュサーバーにアセットのメタデータを問い合わせ、ローカルでの結果がキャッシュサーバーのものと一致するかどうかを比較します。この場合、すべてのアセットの再インポートは行われません。
-consistencyCheckSourceMode local
-consistencyCheckSourceMode cacheserver

起動中に矛盾が確認された場合は、コンソールとエディターのログファイルに記録されます。

一貫性チェッカーは、キャッシュ可能なアセットのインポートのみをチェックします。そのため、ScriptedImporter のキャッシュを無効にすると、そのインポートの一貫性チェックも無効になります。ScriptedImporter のキャッシュを無効にする方法については、AssetImporters.StiptedImporterAttribute を参照してください。

キャッシュサーバーを検証ソースとして使用するには、Unity Accelerator のドキュメントを参照してください。

エディターログ

インポーターの矛盾が検出されると、その問題に関する詳細な情報がエディターログに記録されます。これには以下が含まれます。

  • 一貫性チェックの失敗の原因となったアセット

  • そのアセットの GUID

  • アセットのインポート結果のコンテンツハッシュ

  • アセットの前回の訂正との比較

以下は、インポーターの矛盾を示すエディターログの例です。

ConsistencyChecker - guid: a1945cd7aab67441ba89015f97494624, dependenciesHash.value: fb8cfb407bba82d4daded6031688ba9b, artifactid: 07078a054d3f597b4c2cc47e8e4c0bde, producedFiles[0].extension: , producedFiles[0].contentHash: 8490a5ed35a4361d679e6055a386969e

ConsistencyChecker - guid: a1945cd7aab67441ba89015f97494624, dependenciesHash.value: fb8cfb407bba82d4daded6031688ba9b, artifactid: 07078a054d3f597b4c2cc47e8e4c0bde, producedFiles[1].extension: .info, producedFiles[1].contentHash: 4bd9140e19d2e44782f1131172e514ba

ConsistencyChecker - guid: a1945cd7aab67441ba89015f97494624, dependenciesHash.value: fb8cfb407bba82d4daded6031688ba9b, artifactid: 646d6432767729ea7d288c636183de97, producedFiles[0].extension: , producedFiles[0].contentHash: 5ca760170f85012ce16aa8c22e8d9ea1

ConsistencyChecker - guid: a1945cd7aab67441ba89015f97494624, dependenciesHash.value: fb8cfb407bba82d4daded6031688ba9b, artifactid: 646d6432767729ea7d288c636183de97, producedFiles[1].extension: .info, producedFiles[1].contentHash: 4bd9140e19d2e44782f1131172e514ba

Importer(ScriptedImporter:Assembly-CSharp::RandomImporter) generated inconsistent result for asset(guid:a1945cd7aab67441ba89015f97494624) "Assets/first.rand"

キャッシュサーバーが利用できない場合、一貫性チェッカーはエディターログに警告を表示します。

プロジェクトにキャッシュサーバーが設定されていない場合は、以下のメッセージが表示されます。

ConsistencyChecker - Cacheserver is not enabled

Unity がキャッシュサーバーに接続できない場合、このメッセージが表示されます。

ConsistencyChecker - Not connected to accelerator/cacheserver

デバッグ

Unity エディターインストールの Data/Tools フォルダーにあるツール ‘binary2text’ を使って、ライブラリフォルダーの内容を調べ、実際にインポーターが生成したものを確認することができます。

例:

./Data/Tools/binary2text ./myProject/Library/Artifacts/84/8490a5ed35a4361d679e6055a386969e output_file

ハッシュ値は、アセットのコンテンツハッシュです。報告された矛盾を見つけ、チェック中にどのようなコンテンツが生成されたかを確認するには、エディターログを見ます。

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