Version: 2023.1
言語: 日本語
IL2CPP 追加引数のためのプラットフォーム固有の設定
Windows ランタイムサポート

Linux IL2CPP クロスコンパイラー

Linux IL2CPP クロスコンパイラーは sysroot とツールチェーンのパッケージセットで、Linux 用 Unity エディターや Mono に頼ることなく、あらゆるスタンドアロンプラットフォーム上で Linux IL2CPP プレイヤーをビルドすることを可能にします。

要件を満たしていれば、Linux をビルドターゲットとして選択したときに、Unity が自動的にこれらのパッケージをインストールします。このプロセスを回避して、独自の sysroot とツールチェーンのパッケージを使用したい場合は、Edit > Project Settings > Toolchain Management の順に移動して、Install Toolchain package automatically チェックボックスを無効にしてください。すでにこれらのパッケージがインストールされている場合は、パッケージマネージャから削除する必要があります。

注意: IL2CPP の追加引数を設定すると、プロジェクトのコンパイルに影響する場合があります。詳細については、IL2CPP 追加引数のためのプラットフォーム固有の設定 を参照してください。

Linux がビルドターゲットとして選択された Build Settings ウィンドウ
Linux がビルドターゲットとして選択された Build Settings ウィンドウ

要件

Unity は、IL2CPP クロスコンパイラーパッケージをインストールするために以下が必要です。

  • Unity 2019.4 以降
  • 選択した Linux ツールチェーンパッケージに十分なディスクスペースがあること。詳細については、Linux ツールチェーンパッケージに必要なディスクスペース を参照してください。
  • スクリプティングバックエンドが IL2CPP に設定されていること。スクリプティングバックエンドを IL2CPP に設定するには、Go to Edit > Project Setting > Player > Other Setting > Configuration の順に移動し、Scripting BackendIL2CPP を選択します。
  • IL2CPP モジュール。IL2CPP モジュールをインストールする方法については、Adding modules を参照してください。

Linux の sysroot パッケージ

Linux の sysroot パッケージとは、Linux 用のビルドに必要なヘッダーやライブラリをすべて含んだディレクトリのことです。

オペレーティングシステム (OS) には、それぞれ異なる独自のビルドシステムがあります。特定の OS のヘッダーやライブラリを使ってビルドする場合、ビルドされたプレイヤーは他の OS では動作しない可能性があります。そこで、Unity では、サポートされているすべての Linux プラットフォームで動作するビルドを作成するために sysroot を提供しています。

Linux ツールチェーンパッケージ

Unity は、macOS、Windows、Linux 用のツールチェーンパッケージを提供しています。これらのプラットフォームは、それぞれ独自の方法で Linux 用のビルドを行います。

Linux ツールチェーンパッケージとは、Unity が Linux 用にビルドするために必要なツール (コンパイラーやリンカーを含む) を、これらの各 OS から集めたものです。

Linux ツールチェーンパッケージに必要なディスク容量

パッケージのダウンロード、解凍、およびその使用を考慮して、十分なディスク容量を確保してください。

まれに、十分な容量があるかどうかわからない場合は、UNITY_SYSROOT_CACHE 環境変数を定義して、圧縮されていない sysroot とツールチェーンのパッケージを保存するために使用します。環境変数とは Unity の外部で設定した変数で、Unity が参照できるものです。このケースでは、sysroot とツールチェーンのパッケージを解凍する際に Unity が参照できるキャッシュを設定します。環境変数は、OS に固有のものであるため、システムのガイドラインに従って設定する必要があります。

下の表は、各ツールチェーンパッケージに必要な総ディスク容量を示しています。

ツールチェーンパッケージ 必要なディスク容量
com.unity.toolchain.linux-x86_64 462MB
com.unity.toolchain.macos-x86_64-linux-x86_64 2GB
com.unity.toolchain.win-x86_64-linux-x86_64 2GB

Linux IL2CPP クロスコンパイラーの使用について

このページの要件をすべて満たしていれば、プロジェクトを Linux プレイヤーとしてビルドすることができます。Unity は、ビルド時に自動的に Linux IL2CPP クロスコンパイラーを使用します。

Linux プレイヤーをビルドするには、以下の手順で行います。

  1. Build Settings を開きます (メニュー: File > Build Settings)。
  2. Windows, Mac, Linux オプションを選択します。
  3. Build Target オプションを Linux に設定します。
  4. Switch Platform ボタンをクリックします。
  5. プレイヤーをビルドします。Unity のメインメニューから、 File に移動し、Build または Build and Run を選択します。

その他の参考資料

IL2CPP 追加引数のためのプラットフォーム固有の設定
Windows ランタイムサポート