Depth Of Field
Depth Of Field (被写界深度) コンポーネントは、カメラレンズの集束特性をシミュレートする被写界深度の効果を適用します。現実のカメラが焦点をはっきり合わせることができるのは、特定の距離にある 1 つのオブジェクトだけです。その距離より近い、または遠いオブジェクトは、ぼやけて見えます。ぼやけは、オブジェクトの距離に関する視覚的な手がかりになり、“ボケ” を作り出します。これは、画像の明るい領域に焦点が合っていない場合にその周りに現れる視覚的なアーティファクトです。ボケの詳細については、Wikipedia の「ボケ」 を参照してください。
Universal Render Pipeline (ユニバーサルレンダーパイプライン、URP) には、次の 2 つの被写界深度モードがあります。
- Gaussian: このモードはカメラのような効果を近似しますが、それらを完全に模倣するわけではありません。ブラー半径に制限があり、遠距離場のぼやけのみを作成します。このモードは最も高速であるため、ローエンドプラットフォームに最適です。
- Bokeh: 低速ですが、現実のカメラの効果を厳密に模倣する高品質のモードです。近距離場と遠距離場の両方のぼやけを作成でき、ホットスポットとも呼ばれる明るさの強度が高い領域にボケを生成します。
Depth of Field の使用
Depth of Field では、ボリューム システムを使用するため、Depth of Field のプロパティを有効化および変更するには、シーンの ボリューム に Depth Of Field オーバーライドを追加する必要があります。ボリュームに Depth Of Field を追加するには、以下の手順に従います。
- シーンまたは Hierarchy ビューで、Volume コンポーネントを含むゲームオブジェクトを選択して Inspector で表示します。
- Inspector で、Add Override > Post-processing に移動して Depth Of Field をクリックします。URP は、このボリュームの影響を受けるすべてのカメラに Depth of Field を適用します。
プロパティ
プロパティ | 説明 |
---|---|
Mode | このドロップダウンを使用して、URP が Depth of Field エフェクトの焦点を設定するために使用するモードを選択します。 • Off: このオプションを選択すると、被写界深度が無効になります。 • Gaussian: このオプションを選択すると、より高速ですが、より制限された被写界深度モードが使用されます。 • Bokeh: このオプションを選択すると、ボケをベースとした被写界深度モードが使用されます。 |
Gaussian 被写界深度
プロパティ | 説明 |
---|---|
Start | 遠距離場がぼやけ始めるカメラからの距離を設定します。 |
End | 遠距離場のぼやけが最大ブラー半径に達するカメラからの距離を設定します。 |
Max Radius | 遠方のぼやけが到達できる最大半径を設定します。初期値は 1 です。 ノート: 1 より大きい値を指定すると、シーンに視覚的なアンダーサンプリングアーティファクトが現れる可能性があります。ぼやけ効果が滑らかでない、または静的ノイズがあるように見える場合は、値を 1 以下に戻してみてください。 |
High Quality Sampling | より高品質なサンプリングを使用して、ちらつきを減らし、ぼやけの全体的なスムースネスを向上させます。パフォーマンスコストが生じる可能性があります。 |
Bokeh 被写界深度
Bokeh 被写界深度モードは、現実のカメラの効果を厳密に模倣します。このため、設定は現実のカメラの設定に基づいており、カメラの絞り羽根を調整するための各種プロパティがあります。絞り羽根の概要とカメラ出力の視覚的な品質への影響については、Improve Photography のガイド Aperture Blades: How many is best? (絞り羽根: 最適な数) を参照してください。
プロパティ | 説明 |
---|---|
Focus Distance | カメラから焦点への距離を設定します。 |
Focal Length | カメラセンサーとカメラレンズの間の距離をミリメートル単位で設定します。値が大きいほど被写界深度が狭くなります。 |
Aperture | 開口率 (F ストップまたは F 値と呼ばれます) を設定します。値が小さいほど被写界深度が狭くなります。 |
Blade Count | スライダーを使用して、開口部を形成するためにカメラが使用する絞り羽根の数を設定します。使用する羽根の数が多いほど、ボケは丸く見えます。 |
Blade Curvature | スライダーを使用して、開口部を形成するためにカメラが使用する絞り羽根の曲率を設定します。 値が小さいほど、絞り羽根の見える部分が大きくなります。値が 1 の場合、ボケは完全な円形になります。 |
Blade Rotation | スライダーを使用して、絞り羽根の回転を度単位で設定します。 |