ライトの使用

クッキー

演劇や映画において、ライティング効果はセットの中の実在しないオブジェクトを印象深くするために、長い間使われてきました。ジャングル探検家は、まるで本物の樹冠の影に覆われているように見えます。刑務所のシーンでは、実際に窓と壁がセット上に存在しなくても、格子窓を通り抜けた光が当たっているようです。とても印象的なシーンですが、光源と舞台の間に適切な形状のマスクを置くだけで、非常に簡単に影を作成する事ができます。マスクは、略して cucoloris または Cookie と呼ばれます。Unityのライトでは、テクスチャの形でクッキーを追加することができます。これにより、効果的にシーンに雰囲気を追加する事ができるのです。

窓からの光をシミュレートするディレクショナルライトのクッキー
窓からの光をシミュレートするディレクショナルライトのクッキー

クッキーの作成

クッキーは普通のテクスチャですが、 alpha/transparency チャンネルだけを利用します。クッキーをインポートする際、Unityには画像の明度をアルファチャンネルに変換するオプションが有るため、グレースケールのテクスチャ画像としてクッキーを用意した方が簡単かもしれません。クッキーを製作してプロジェクトのアセットフォルダに保存するのは、任意の画像編集ソフトから行う事ができます。 \n

窓からの光のためのシンプルなクッキー
窓からの光のためのシンプルなクッキー

クッキーをUnityにインポートしたら、プロジェクトビューからインポートしたクッキーを選択し、インスペクター内の Texture TypeCookie に設定します。画像にアルファチャンネルが無い場合は、 Alpha From Grayscale を有効にする必要があります。

Light Type はクッキーが光源から投影される方法に影響します。点光源はすべての方向を照らすので、クッキーテクスチャはキューブマップの形式でなければなりません。スポットライトには Spotlight タイプに設定されたクッキーを使用する必要がありますが、平行光源では Spotlight または Directional オプションどちらも使用することができます。 directional を設定したクッキーによる平行光源では、クッキーをタイル状のパターンとしてシーン全体に繰り返します。スポットライトクッキーを使用する場合は、クッキーはライトの “光束” が直接当たる部分に、一度だけ表示されます。これは平行光源の位置が重要な場合のみです。

方向モードで タイルを張る ウィンドウクッキー
方向モードで “タイルを張る” ウィンドウクッキー

クッキーを光に適用する

テクスチャがインポートされたら、それを適用するインスペクターのライトの Cookie プロパティーにドラッグします。

スポットライトと点光源では、円錐や球の大きさを変えるだけでクッキーをスケールできます。平行光源には、クッキーサイズを任意でスケーリングすることができる追加のオプション、 Cookie Size があります。スケーリングは SpotlightDirectional 両方のタイプのクッキーで動作します。

クッキーの使用

クッキーは多くの場合、光の形状を変えるために使われるので、シーンにディテールを “描く” のにも好都合です。例えば、暗いトンネルの天井に沿って striplights が続いていることがあります。照明用に標準的なスポットライトを使用している場合、ビームは期待に反して丸い形になりますが、光を細い長方形状に制限するために、クッキーを使うことができます。また、モニター画面は、キャラクターの顔に緑色の光を投じるかもしれませんが、光の形状は小さな四角形にした方が良いでしょう。

クッキーは完全に黒と白である必要はなく、任意のグレースケールレベルを使うことができます。これは、光路上にある埃や塵(ちり)をシミュレートするために役立つことがあります。例えば、ゲームシーンが古い廃屋の場合、窓やその他の光源上にノイズによる “dirty” なクッキーを使用して、雰囲気を加えることができます。また、車のヘッドライトのガラスには通常、隆起した部分があり、そのためビームにわずかな明暗差ができて “コースティクス” 模様になります。これもクッキーが役立つ良い例です。

ライトの使用